2021年の金価格:あふれる通貨と経済回復のせめぎあい

2021年1月4日 投稿

 

新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

 

さて、2021年はじめは、ゴールドのお話から。2020年の金価格は、新型コロナのパンデミックが、一番の材料でした。では、2021年の金相場は、どうなるのでしょうか。

 

目先は、米国の新型コロナ対策の財政支援。バイデン次期政権によるインフラ投資や増税など政権交代の影響がどうなるか織り込んでいく展開になりそうです。

 

2021年の金相場は?

 

新型コロナの影響で、各国の財政はゆるゆる。どこの国も財政赤字の削減よりも経済対策。ただでさえ、借金まみれの中、お金を刷れば刷るほど、政府の借金は膨らみ、相対的に、金など商品の価値は上昇します。

 

●大阪金の日足チャート 2021年1月4日

大阪金の日足

 

あふれるマネー

 

政府の借金が増えたため、少しでも金利が上がれば、利払い費が財政を圧迫。そのため、中央銀行は、金利を上げられず。FRBは、2023年までゼロ金利を継続するつもり、日銀の緩和終了は、いつになることやら。これもまた、金価格を支える要因です。

 

金利が上がらず、マネー=通貨の価値が下がる中、ビットコインは上昇中、今後、デジタル人民元をはじめとした公的機関のデジタルマネーが本格化していきます。この増えるマネーの奔流が、2021年も金価格を支えることになると考えます。

 

ミレニアル世代をはじめ、若い世代は、ビットコインをはじめとしたデジタル通貨を金や株の代わりに買うでしょう。しかし、いくつもの通貨が生まれては消えていった過去を知る人は、ポートフォリオを分散します。その中でも、金や銀を資産に加える動きは、リスクが高まれば、増えていくと思います。2020年12月のビットコインは、大幅に上昇。

 

新型コロナウイルスのパンデミックが収まっても、経済が元の姿を取り戻すのは、先の話。そこまでは、株式がバブルになろうと、中央銀行の緩和姿勢は続けるしかありません。

 

各国の新型コロナ対策の財政出動(日経新聞データ)は、G20を中心に、世界全体で、約12兆ドル(1,250兆円)。米国3兆ドル、日本1.7兆ドル、ドイツ1.5兆ドル。このお金が株価をはじめ資産価格の上昇に繋がりました。そして、株が高すぎると考えるマネーの一部は、金銀をはじめ、商品市場とビットコインに流れ込んでいます。

 

●2021年の金市場を巡る状況

 

・バイデン政権となり、財政支援策が拡大する⇒新政権は、人気取り政策を取りがち。(スムーズな政権交代となるかリスク要因)
・低金利&財政拡大=米ドル及びマネー供給量の増加
・バラバラだったユーロ圏の財政一体化など財政統合が進んだことによるユーロ高ドル安の流れ
・実質金利の低下&全体的な通貨安の動き=金先物の上昇要因

 

デフレを防ぐためのインフレ策は、今のところ功を奏しています。また、テクノロジーの進化による過剰な生産能力・グローバル化による生産効率アップは、インフレを止める役割を果たしました。しかし、2020年、ハイパーインフレこそ起きていないものの、大豆・金銀など商品先物市場は上昇しており、近い将来、大幅な通貨安=インフレに見舞われてもおかしくありません。

 

●NY金価格の日足チャート 2021年1月4日

金の日足チャート

ダウントレンドをブレイクし、上値を抜けられるか。そろそろ上下どちらかに抜けそうなタイミング

 

それでは、逆に、金相場が下落するシナリオを見ておきましょう。

 

2021年の金相場が下落するシナリオ

 

ワクチン効果への期待が経済を引っ張り、リスクオン(リスク選好)ムードが広がるシナリオです。過去のパンデミック事例から見ても、約2年で状況はだいぶ変わります。

◆経済産業省:コロナショックと世界経済の状況より

パンデミック

だいたい、2年ほどで、大流行は弱まっていく。

 

●新型コロナ対策ワクチンが、大きな効果を発揮。春になるにつれて、患者数も減少し、経済の先行きが明るくなる。

 

●バイデン政権の対内・対外政策が功を奏する。中国との融和ムードが広がり、目先の米中対立が解消する。

 

●世界経済の回復に伴い、金融緩和から引き締めへの変更時期が話し合われる。

 

こららのシナリオになると、金相場にもマイナスの影響が広がります。

 

特に、世界経済の回復にともなって、金利が上昇する可能性は、よく見ていきたいところ。金利上昇は、米長期金利の1~2%が、金価格の上昇を抑えるレベル。

 

さらに、金利が上昇していけば、別の話がスタート。米10年債金利が、2%を超えて上昇していけば、米国債への信頼低下・米国債からの逃避が起きて、ゴールドの上昇要因になります。

 

2020年12月28日
・米10年債金利:0.926%
・日本10年債金利:0.021%

 

金利上昇は、株価下落のトリガーにもなるため、2021年は、金利水準には、要注目。FOMCやFRB高官の発言に注意しておきましょう。



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