じわりとインフレ。すでに、上昇している商品先物市場

2021年2月15日 投稿

 

原油やプラチナ・穀物などが、大幅に上昇している商品先物市場。前から、緩やかなインフレの動きを予想していましたが、それは、現実のものとなってきました。

 

インフレそして、商品先物市場が上昇している理由は、いくつか挙げられます。

 

●パンデミックによる経済支援・中銀の緩和で余った資金が、株式・不動産・商品市場に流れ込んだこと。

●流通・生産に問題が生じたことによる供給不足

●寒波によるエネルギー需要の高まり

 

パンデミックによる都市封鎖やソーシャルディスタンスが、資源・食料の供給を乱したことと大量のマネー投入が、インフレトレンドを招いています。

 

下記のチャートをご覧ください。原油も大豆も秋から上昇トレンドを描いていることがわかります。

 

●WTI原油の日足チャート 2021年2月10日

原油のチャート


●シカゴ大豆の日足チャート

大豆のチャート


コロナからの回復期待とマネーの供給

 

現在、ワクチンの接種が進み、コロナからの回復期待が盛り上がっていますね。米バイデン政権による1.9兆ドルの財政支援(審議中)もあり、経済が回復しつつあるのは確実な情勢。

 

そして、市場は、いよいよ、その後に視点を当てはじめているように思います。

 

今年の春は、ワクチンの供給や追加支援などで、一時的なインフレが起きやすい環境。特に、4-6月は、インフレが。一時的に強くなると予想されています。これが、経済の行方をややこしくするでしょう。アナリストやエコノミストから、インフレに関する両方の意見が出てきて、投資家達も迷いがち。

 

FRBは、多少のインフレを許し、2%超えの可能性は高い

 

FRBは、インフレ目標を平均2%としています。すなわち、少々、インフレになっても構わないというメッセージを市場に発していると考えることができますね。

 

元財務長官のラリー・サマーズ氏は、バイデン政権が、1.9兆ドルの財政支援を行えば、厳しいインフレになるとの警告を発しています。それに対して、現職のイエレン財務長官は、明日の危機を抑えることが大切で、将来のインフレを怖がりすぎる必要は無いとの考え方。しかも、インフレを抑える手立てがあると明言。

 

これらから、インフレ率が、2%を超えて上昇する可能性は高まっていると見ることができます。そうなると、商品先物市場ももう少し、上値を目指す展開になるかもしれませんね。ただし、相場の加熱感は強いので、いつ逆方向になるか慎重にならなければ行けない場面だと思います。

 

では、大きなリスクは、どのようなことでしょうか?

 

FRBの政策変更=そろそろ金融政策の引き締めを警戒

 

インフレ率が2%に達しても、すぐに、FRBの金融政策を引き締めるわけではないというのは、市場にとってプラス材料。とはいえ、いつまでも低金利のままとはいきません。いつか、金融正常化は行われます。

 

イエレン財務長官は、もし、バイデン政権の1.9兆ドル経済対策が実行されれば、来年(2022年)にも、完全雇用が達成できるとしています。こちら、経済対策を実行せよとの忠告なんですけどね。

 

じゃぶじゃぶに溢れたマネーを引き締める時、テーパリング(資産買い入れ額の縮小)を行います。このテーパリングについての議論をはじめた段階で、おそらく、市場には、ショックが走ると思います。ここは、大きなターニングポイント。

 

その時、株式や金先物をはじめとした商品市場も、一度、ポジション整理の売りが殺到することになり、価格は下がる可能性が高い。

 

上がり続ける株式市場の調整やクラッシュ

 

量的緩和・米国民への一時金配布などで、株式市場には、大量のマネーが流れこみ、市場を賑わせていますね。イーロン・マスク氏のテスラによるビットコイン投資。オンライン掲示板での株式や銀の買い占め騒動なども起きて、いわゆる一般人も株式投資を行っている状態。

 

そして、米国のビッグテック企業「GAFA」は、S&P500の19%を占める巨大な存在に成り上がりました。さらに、電気自動車大手のテスラは、同じく約1.7%を占める程。市場の寡占化が心配されています。

 

米大統領選挙で、ビッグテック企業は、情報統制を行い、大統領以上の力を持つ一面を示しました。さらに、コロナ下で、苦しむ企業や家計が多い中、株価上昇・利益拡大と恩恵を受けたことから、規制強化という話も出てくるのではないかと思います。

 

もし、GAFAやテスラに規制や大きな罰金が出てくれば、いきなり、株価は調整しかねない危ういところにあると言えるでしょう。かつて、巨大銀行を潰せば、金融市場が壊れる=大きすぎて潰せないジレンマが、あったのと同じ自体が、ビッグテック企業にも存在しています。

 

今後のシナリオは、バイデン政権の経済対策の規模次第で、2%超えのインフレが生じる可能性あり⇒その後、景気回復や雇用回復次第で、テーパリングの議論が行われる⇒ここが、市場のターニングポイント。

 

その間、上昇し続けている株式市場と仮想通貨の調整に注意したいところです。