プラチナ以上に足りない。パラジウム&ロジウムの不足が、深刻化する可能性あり

2021年3月15日 投稿

 

脱炭素社会に向けてカギを握る白金族。商品先物市場では、プラチナ・パラジウムが、高騰。そして、同じ白金族の一つであるロジウムも大きく値上がりしました。今後、世界経済が、インフレに向かうならば、原油・穀物・白金族は、さらなる値上がりを見込めるでしょう。

 

田中貴金属の貴金属相場推移で1gあたりの価格を確認すると、金6,159円、プラチナ4,114円に対して、パラジウム8,055円。そして、なんとびっくり、ロジウムは、77,389円と大幅な高値を付けています。(2021年2月の平均価格)。

 

白金族の価格上昇はどこまで続くのか

 

今後もパラジウムやロジウムの供給不足は、続きそうで、白金族全体の価格を支えることになるのではないかと思います。

 

●NY白金の月足 2021年3月10日

NYプラチナ

 

●NYパラジウムの月足

パラジウム

 

景気回復で、白金族の需要は増加

 

新型コロナのパンデミックについて、ようやく目処がつきつつあるため、これからの景気回復は、米国・中国をはじめとした国の自動車生産を大きく増やすことになります。

 

2021年の中国新車市場は、4年ぶりのプラス予想。新車販売台数予想は、前年比4%増加の2600万台超。2020年は、前年比1.9%減の2531万1,000台。(中国汽車工業協会)

中国は、不動産市場が、ちょっと危うくなっていますので、家と車の数字に、注目しておきたいところ。

 

バイデン政権による財政拡大は、インフレを招きかねない

 

そして、将来の財政不安は、さておき、米国バイデン政権の経済対策1.9兆ドルは、市場に投下されて、物価を押し上げる可能性大。

 

さらに、原油相場の方もインフレを後押し。OPECプラスが、協調減産を4月も維持すると決めたことで上昇。原油価格が高値で維持されれば、運搬・採掘などのコストも上昇するため、インフレを押し上げることになります。

 

ここに、排ガス規制強化・脱炭素の動きが強まることがプラスされるため、ガソリン車の触媒に使うパラジウムやロジウムは、底堅い動きが予想できます。そして、この両者に比べて割安なプラチナは代替ニーズの強まりを期待した買いが入ってきます。

 

◆基本的な用途
●パラジウム→ガソリン車の触媒
●プラチナ→ディーゼル車の触媒

 

南アフリカからの供給に不安

 

それに対して、供給面は、南アフリカ頼み。プラチナ・パラジウム・ロジウムなど白金族は、南アフリカからの供給が止まれば、需給バランスが崩れます。そして、新型コロナウイルスによる南アフリカの鉱山封鎖の影響で。供給に大きな支障が出ています。特に不足しているのがロジウム。ドイツの総合化学会社BASF(ビーエーエスエフ)社は、南アフリカのロジウム生産が減少しており、2021年に、162千オンス、2022年に335千オンスの不足が生じると指摘しています。

 

もちろん、今後、パンデミックがおさまれば、南アフリカの鉱山からの供給は増えて、値下がりする場面もあると思います。しかし、南アフリカは、公営電力会社エスコムの電力に不安を抱えており、停電が頻発。今後の白金族の採掘・輸出に問題があります。

 

ちなみに、南アフリカのプラチナ鉱石からは、プラチナだけでなく、パラジウム・ロジウム・イリジウムがあわせて採掘できます。そのため、パラジウムやロジウム価格が高騰するとプラチナ生産も増えてしまい、供給が増えて白金価格が、安くなるという側面もありました。

 

白金族・原油が上昇していけば、インフレの可能性

 

この白金族の価格高騰は、デフレからインフレへとトレンド転換する可能性がある世界経済の指標にもなりますか、価格の動きには注意しておきましょう。特に、白金とパラジウムは、商品先物市場で取引されている銘柄で、かつ値動きもダイナミック。ただし、むやみに売り買いするのは、リスキーな銘柄ですので、ご注意ください。

 

●大阪白金&パラジウム

大阪白金とパラジウム


新型コロナパンデミックからの景気回復を先取りして、上昇してきた株式相場は、そろそろ材料出尽くし。米国の現金給付がスパークになった後、新材料がほしいところ。一方、商品市場の方は、原油・白金・穀物と様々な銘柄が上昇しており、需給バランスの逼迫が起きるかどうかは、これから。米国・中国の不動産・株式バブルの動向に注意しながら、トレードしていきましょう。