取組高から考える相場(金と白金)
6月17日から21日までの金は先週末より114円値上がりして、一般投資家(投資家、取次者経由)は20,791枚売り越しました。

トータルは18,371枚の売り越しに転換しました。
先週末の終値が4,681円でトータル2420枚の買い越しまで減っていましたから、4,700円台に入ったところから、利食いをして、※途転売り(ドテン売り)になっているようですね。
※途転売り(ドテン売り)
今までのポジションを決済し、新たに反対のポジションを建玉することを言います。
さて6月17日から21日までの白金は先週末より38円値下がりして、一般投資家(投資家、取次者経由)は1,754枚買い越しました。

トータルは45,692枚の買い越しです。
先週は金が大きく上げに対し、白金が下げですから、金に売りが出て、白金に買いがでるのも頷けます。
続いて海外の取組や国内の取組推移、金と白金の鞘の推移やNY金のETF残、チャートなどを見て考えてみましょう。
まずは国内金の取組とNY金ETF残の推移です。

国内金は20日に一気に売り越しとなったのが分かりますね。それと21日のNY金・ETFに34.93トンの大きな買いが入ったのが分かります。
金の現物に大きな資金が流れたようですね。
続いてNY金、ファンドの取組推移です。

NY金のファンドの買いは6月18日の時点で235,532枚の買い越しとなっています。
これを書いている月曜日、朝の時点で、1,408ドルまできているので、さらに買い枚数が増えているでしょう。金に資金の流入が続いているのが分かります。
続いて中々上がらず、揉み合いの続く白金を見てみましょう。
まず国内白金の取組と、金と白金の価格差(鞘)の推移です。

続いて白金の割安感を感じる、金と白金の価格差(鞘)のチャート日足です。

金と白金の価格差(鞘)のチャート週足です。

白金と金の価格差(鞘)が過去最大に拡がっているのが分かります。
4月22日に1,340円だった価格差が、先週末6月21日終了時点で1,993円まで拡がっているのですから、金を売って白金を買う人も当然でてきます。
この差を縮めるには、金が下がり、白金が上がる必要があります。
白金の海外のファンド動向を見てみましょう。

NY白金のファンドの投げが、大分進んだことが分かりますね。又、取組高が増えてきているので、エネルギーが溜まってきているようにも見えます。
続いてNY白金の日足チャートを見てみましょう。

NY白金は下げがきつかった分、戻ろうとしても、戻り売りが出ているのがわかります。
上がるには下値で鍛錬が必要そうですね。
白金族系金属のパラジウムとの価格差も見てみましょう。

これもパラジウムが買われ、白金が安値に放置されているのが分かりますね。
白金が上がるには、NYのファンドが大きく買えるようにする必要がありそうです。
NYのファンドはテクニカルで動く部分が強いので、下値を固めてから、上に向かう形になることが条件となりそうですね、特殊要因がない場合は、テクニカル主導の相場になることが多いようです。
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