取組高から考える相場(金)

2019年7月1日 投稿

 

6月24日から28日までのは先週末より90円値上がりして、一般投資家(投資家、取次者経由)は6,425枚売り越しました。

 

2019年6月28日取引終了時点 カテゴリ別取組高表(週間増減) 金(標準取引)

 

トータルは24,796枚の売り越しになりました。

 

先々週末の終値が4,795円でトータル18,371枚の売り越しでしたから、先週はさらに売り上がりの形となりました。

 

6月24日から28日の週は、24日から証拠金が102,000円に上がったこともあり、25日の高値の日は、※踏みと※パッチが入ったようです。

 

2019年6月25日取引終了時点 カテゴリ別取組高表 金(標準取引)

 

※踏み

売り玉の損切りを言います。(買い玉の損切は投げと言います。)

 

※パッチ

売り玉または買い玉が損失状態で反対の玉を建てることを言います。利が乗った状態で反対の玉を建てると、利パッチもしくはあんこと言います。

 

 

先週末は月末ということもあり、月足が確定したので、国内月足チャートや取組、NY金ETF、NY金のファンドの推移などを見てみましょう。

 

まずは国内金の取組NY金ETF残の推移です。

 

国内金・取組内容・値段推移 NY金・ETF残高推移

 

国内の一般投資家(投資家、取次者経由)の、先週24日から28日の動きは下がった日に売ったり、高い日に買ったり振り回される一週間だったようですね。

 

24日から金の証拠金が66,000円から102,000円に上がったのですから、振り回されてしまうのも頷けます。ボラティリィティが上がり続けると、JCCH(日本商品清算機構)という清算業務を行う機関が市場のリスクによって、証拠金の決定を行います。

 

又、NY金のETFは6月21日に大きな買いが入りましたが、その後細かい利食いが続いています。

 

続いてNY金、ファンドの取組推移です。

 

NY金の大口投機玉(オプション取引を含む)

 

価格が大きく上がったので、取組高や買残が増えていますね、取組高を増やしての価格上昇なので、資金が流入しているのが分かります。

 

FRBの利下げ見通しや、ドル安方向の見通しが出たときは金に資金が流入しやすいようですね。

 

国内金の月足チャートも見てみましょう。

 

チャート 東商金 期先つなぎ足 月足 2013年2月5081円

 

これを見ると斜めのトレンドラインを上抜けた足が、月足で確定した格好となっていますね。

 

しかしこれを書いている7月1日の午前中はG20が終わった後で、トランプ大統領が北朝鮮訪問のパフォーマンスで、金が50~60円くらい下がっています。果たして月足チャートがだましになるかどうかですが、月足チャートなので分かるまで時間がかかりそうですね。

 

結局、トランプ大統領FRBに利下げ圧力をかけたり、突然北朝鮮に行ってみたりと、金にとって上げたり下げたりの行動を取っている事が分かりますね。

 

相場の動きを予測するには、テクニカルであったり、ファンダメンタルであったり、目先は口先介入であったりと色々な材料で動いています。2011年はNY金が大きく動いた1年だったので、その時動いた外部要因をおさらいしてみましょう。

 

 

まずはNY金の月足チャートを見てみましょう。

 

チャート NY金 中心限月(19/08) 月足

 

金価格は1,900ドルを突破しましたが、後に1,500ドル台まで暴落もした年でした。

 

2011年の外部要因です。

 

世界の中央銀行が、2010年まで年間500トン前後、金を売り越していましたが、その年は400トン程度買い越しに転じた年でした。

 

新興国を中心に米ドルやユーロに偏った外貨準備金を、金や円にシフトさせる動きが顕在化しました。(ちなみにドル円は75円台まで買われました。)

 

この年の金の年間生産量が2,800トンでしたから、500トン売却400トン購入とでは需給に大きな影響を与えたことが分かります。

 

この年はインドと中国の年間需要が1,700トンを越えた年でもありました。

 

他にもJPモルガン・チェースが金を金融取引の担保と認定した年でした。金が金融商品としての色彩を強める出来事ですね。

 

又、NY金のETFの時価総額が、NYの(S&P)500種株価指数に連動するETFを上回るという、まさに株から金への動きを、明確に表す現象も起きています。

 

しかし金価格が高騰したことにより、今度は世界的に金のリサイクルブームが起きました。あの頃は「金を買い取ります。」という看板を、街中でよく見かけたのを覚えています。そのリサイクルブームによって、金が1,700トン近く集まり、金価格高騰に急ブレーキをかけました。

 

また東日本大震災により、有事の金買い、自動車の排ガス触媒需要の観点から、工業需要の減少による白金売りとなり、それまでは金より白金が高かったのですが、逆転する現象が起きました。今では、白金価格の金価格より下が、完全に常態化しています。

 

米大手ヘッジファンドのジョン・ポールソンやジョージ・ソロスが株の損失等の埋め合わせの為に、益出しの金売りがでました。また信用収縮のなかで欧州銀行が保有している金の換金売りも2011年の年末にかけて金価格の下落に拍車をかけました。

 

価格が大きく動く時は、それなりに材料があることが伺えますね。

 

大きく動いた年の出来事を参考にして、今後の金の動きを考えるのも面白いかもしれませんね。

 

 


-商品先物取引の登り方- 吉田文吾の知ってお得な先物コラム

 

掲載内容は情報提供を目的としております。情報につきましては細心の注意を払っておりますが、正確さを保証するものではありません。また、取引における判断はお客様ご自身で行って下さい。