取組高から考える相場(金と白金)
7月1日から5日までの金は前週末より5円値上がりして、一般投資家(投資家、取次者経由)は434枚買い越しました。

トータルは24,362枚の売り越しです。
先週は5円の上昇だったので、たいして玉が動いていないように見えます。
先週の一般投資家(投資家、取次者経由)日々の玉の動きを見てみましょう。

ボラティリィティは結構高かったので、日々の玉は動いていたようですね。7月3日は4,912円まで上昇したので売り越し枚数は31,368枚まで膨らみました。一般投資家(投資家、取次者経由)は4,700円を越えた辺りから、売り越しになっているので、最近のボラティリィティの高さの中、やりくりしている人も多そうですね。
続いて白金を見てみましょう。

先週は73円上昇し、3,973枚の売り越しになり、トータル38,836枚の買い越しになりました。
白金を最大枚数買い越した(47,036枚)6月18日から、日々の一般投資家(投資家、取次者経由)の推移を見てみましょう。

白金は6月18日の2,791円で47,036枚の買い越しから7月5日2,913円まで122円の上昇で8,200枚の利食いが入りました。ただ金との鞘が拡がっていることと、白金は倍率が500倍と、金の半分なので、上昇の割には売り越し枚数が少なかったですね。
最近は金のボラティリィティが上がってきているので、金価格の変動の基本についておさらいしてみましょう。
金価格は様々な理由で価格の変動が起きます。

金の価格変動にはまず金の需給があります。
金の生産量やリサイクル量、投資需要、宝飾品の売れ行き、各国中央銀行による売買量などが需給に影響を与えます。
米ドルの価値も金の価格変動に多大な影響を与えます。
各国の中央銀行は世界の基軸通貨の米ドルとリスクヘッジのために、そのもの自体に価値を有する金を同時に保有します。貨幣の価値が下がれば、金自体の価値は変わらないのだから、金価格は上昇するのが持つ理由です。
金利の動向による金価格の変動の理屈は、金そのものを持っていても、金利はもらえないので、金利が高くなれば、金利の良い金融商品にお金が流れ、金利が下落すれば、金にお金が流れやすくなります。
特に米国の金利の変動は、米ドルの変動とセットになることが多いので、金価格の変動は大きくなる傾向があります。
分かりやすい直近の値動きで、7月5日発表、米国の雇用統計は非農業部門の就業者数16万人増の予想が、就業者数、22万4,000人増となり、数字が強かったのでFRBの利下げが遠ざかる、米ドルが買われる、金に投資したお金が金利の良い金融商品へ逃げていくだろう、ドルの価値が上がるから金の価値が下がるという短期的な金価格変動のメカニズムから、金価格の下げ圧力がかかった理由です。
相場はある程度、色々な事を織り込んでいます。織り込み方向と反対にいったときの振れ幅が大きくなる傾向にあります。
他にも、インフレは、貨幣価値が下がり、その物自体に価値を有する、物の価格が上がる理屈です。米ドル安の金価格上昇の理屈も同じですね。
また、地政学リスクが増大する時は、経済や金融市場に不透明感が高まり、価値が無くなる可能性の金融商品よりは、それ自体に価値を有する金にお金が流れます。今は金のみならず、仮想通貨にもお金が流れる傾向がみられますね。
ざっと金価格の変動の基本を書いてみました。このような観点から金の相場観を持ってみるのも面白いかもしれませんね。
ホームページのトップに7月5日掲載、吉田文吾さんの知ってお得な先物コラムにおいて、直近の金相場の考えが書いてあるので参考になると思いますよ。
吉田文吾の知ってお得な先物コラム:FOMC利下げ示唆&イラン情勢をきっかけに、金先物は急上昇!
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