取組高から考える相場(金と白金)

2019年7月16日 投稿

 

7月8日から12日までのは前週末より3円値下がりして、一般投資家(投資家、取次者経由)は2,861枚、買い越しました。

 

2019年7月12日取引終了時点 カテゴリ別取組高表(週間増減) 金(標準取引)

 

トータルは21,501枚の売り越しです。

 

6月28日の終値から7月12日の終値まで2円の上昇で、この2週間の値動きは、高値近辺の持合いが続いています。

 

東京金の日足を見てみましょう。

 

チャート 東商金 期先つなぎ足 日足

 

下値も切上がって、上値も若干切下がってきています。ちょっとした三角持合ですね。

 

一般投資家(投資家、取次者経由)日々の玉の動き、NY金ETF残の推移です。

 

国内金・取組内容・値段推移 NY金・ETF残高推移

 

日々のボラティリィティは高いので、玉は動いていたようですね。7月3日は4,912円まで上昇したので売り越し枚数は31,368枚まで膨らみました。その後は安い日に買って、高い日に売ってを繰り返し、トータルの売り越し枚数を減らしてますね。しかし取組高が増えていることから、※パッチを入れながらやりくりしている人も多そうです。

 

※パッチ

売り玉、または、買い玉が損失状態で反対の玉を建てること。

 

続いてNY金、ファンドの取組推移です。

 

NY金の大口投機玉(オプション取引を含む)

 

NY金は5月から大幅に取組高を増やし、ファンドの買残も大幅に増やしました。大きな資金の流入があったことがわかります。

 

時期を同じくして、仮想通貨(金融庁が暗号資産に呼び方を変えようとしています。)の方にも資金が流入して大きく値を上げてきました。

 

ホームページのトップに7月12日掲載、吉田文吾さんの知ってお得な先物コラムにおいて、仮想通貨(暗号資産)が上昇した理由が書いてあるので、参考にしてください。

 

続いてNY金の日足チャートです。

 

チャート NY金 中心限月(19/08) 日足

 

こちらも高値近辺の三角持合いですね、エネルギーを溜めてどちらに向かうかといったところです。

 

そういえば、先週7月10日水曜日は、日本時間23時からパウエル議長の議会証言でしたが、証言の時間前(21時30分)に金が大きく跳ねる場面がありました。

 

下のチャートは7月10日の東京金5分足です。

 

チャート 東商金 6月限 5分足 7月10日21時30分急騰

 

証言予定のスピーチの草稿(下書き)が先に発表されていたようです。その内容がおもいきりハト派(利下げ寄り)だったというものでした。23時に動くとみていた投資家は多かったと思います。このように想定時間外に動くパターンがあることを覚えておいてもよさそうですね。

 

続いて白金の取組や金との鞘などを見てみましょう。

 

2019年7月12日取引終了時点 カテゴリ別取組高表(週間増減) 白金(標準取引)

 

国内白金・取引内容・値段推移(金と白金の価格差推移)

 

白金は高い日に利食い売りが入り、安い日に買い直して回転をしているようですね。取組高が増えていないので、利食いができる玉を回転させているようです。金との鞘も大きく変化していないので、目立った玉の変化はありませんでした。

 

最近動きがおとなしい、白金の価格変動の要因をおさらいしてみましょう。

 

白金は以下の動向により、価格の変動が起きます。

 

1.南アフリカの動向

一大生産地でもある南アフリカは、常に電力供給に不安を抱えており、電気が止まれば採掘ができない状況になります。

2.自動車業界の動向

白金は工業需要において、自動車触媒の約37%を占めています。車の売れ行きは多大な影響を与えるのが分かりますね。

3.投資需要の動向

白金を投資対象とするETFがあり、中には現物を保管するものもあるのですから、需給に影響を与えます。割合は約10%

4.宝飾品需要の動向

白金は指輪などの宝飾用需要が供給量の約26%を占めています。色が変わりにくいことから「不変の愛の象徴」などといわれているみたいですね。特に日本の選好度が高いみたいです。

5.産業用の動向

電子産業、ガラス、石油精製、高温測定などの工業用、さらには医療、環境関連分野にまで及んでいます。割合は約27%

 

以上が白金の用途と使用割合になります。

 

ちなみに供給量は、2019年予測で一時供給量が約192トンリサイクル量が約69トンです。

 

金の供給量はリサイクル量とあわせて4,500トンくらいあるので、白金の希少性が高いことが分かります。

 

2008年は希少性が高い白金が暴騰しその後暴落しました。その年、起きた事を振り返ってみましょう。その当時のNY白金月足チャートです。

 

チャート NY白金 中心限月(19/10) 月足 2008年3月 2308.8ドル 2008年10月 752.1ドル

 

当時南アフリカは一律10%の電力供給のカットということで、南アフリカの深い鉱山採掘現場での空調と排水はまさに電力に頼っており、電力の供給カットはライフラインが断たれるということで、最大手のアングロプラチナムの複数の白金鉱山が5日間に渡って操業できなくなり、ほかの工場にも影響が出ました。これにより供給不安が高まり、自動車メーカーなど大口需要家によるパニック的な備蓄買いも生じました。それにより白金は歴史的高値(2,308.8ドル、7,427円)まで急騰しました。

 

希少性が高いと、上げ材料には激しく反応することがわかりますね。

 

その後、今度はサブプライム問題に端を発したリーマンショックにより、世界的不況への突入により、800ドル割れまで急落しました。特に米国の自動車ビッグ3の事実上の破綻にまで急速に悪化、最大の需要である自動車触媒の壊滅的状況からの急落となりました。

 

2008年は供給サイドの最大要因の南アによる暴騰、そして需要サイド最大要因の自動車触媒による暴落と、極端な価格変動を起こした年でした。

 

2008年は極端な例ですが、価格が大きく動く時は、それなりに材料があることが伺えますね。

 

大きく動いた年の出来事を参考に、今後の白金の動きを考えるのも面白いかもしれませんね。

 

 


-商品先物取引の登り方- 吉田文吾の知ってお得な先物コラム

 

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