取組高から考える相場(金と白金2週間分)

2019年8月19日 投稿

 

8月2日から16日までの244円値上がりして、一般投資家(投資家、取次者経由)は2週合わせて6,748枚、買い越しました。

 

2019年8月9日取引終了時点 カテゴリ別取組高表 金(標準取引)

 

2019年8月16日取引終了時点 カテゴリ別取組高表 金(標準取引)

 

トータルは16,841枚の売り越しです。

 

続いて一般投資家(投資家、取次者経由)日々の玉の動き、NY金ETF残の推移です。

 

国内金・取組内容・値段推移 NY金・ETF残高推移

 

東京金はこの2週間で244円値上がりして5,166円まで上げてきました。しかし、上げてきたにもかかわらず、売り玉を減らし、トータル6,748枚の買い越しですから、踏み上げの形です。2013年2月の高値5,081円を上抜けたのだから、1回売り玉を手仕舞いも頷けます。

 

国内は踏み上げの形で取組高も減っているから、相場の上昇力が衰えてきてもおかしくありません。ここで、NY金、ファンドの取組推移を見てみましょう。

 

NY金の大口投機玉(オプション取引を含む)

 

こちらは、高値をとりながら、取組高を増やしてますね、NY金ETF残も利食いを入れつつ、残高を増やしていますから、資金の流入が続いています。相場のエネルギーは強い感じです。

 

続いて白金の一般投資家(投資家、取次者経由)の玉の動きと金の鞘を見てみましょう。

 

国内白金・取引内容・値段推移(金と白金の価格差推移)

 

国内の白金は金とうってかわって、7月30日から下落傾向が続き、金との価格差も2,307円まで拡がってきました。

 

金と白金の鞘日足チャートを見てみましょう。

 

鞘チャート 東商金 期先つなぎ足 東商白金 期先つなぎ足 日足 4月22日1,340円 6月25日2,079円 8月16日2,307円

 

4月22日の1,340円の価格差から6月25日の2,079円まで拡げた後、三角持合を経て2,307円まで拡大しています。金が強く白金が弱いのが鞘日足チャートから見ても明らかです。

 

続いてNY白金、ファンドの取組推移を見てみましょう。

 

NY白金の大口投機玉(オプション取引を含む)

 

こちらを見てもぱっとしませんねえ、6月18日に取組高を93,721枚まで増やしたものの、その後、価格は上昇し、ファンドの差引買い越し枚数は増えたのですが、取組高は減っていることから、踏み上げの上昇だったことが分かります。これでは高値追いにパワーが足りません

 

NY金は資金が流入し、NY白金は踏み上げ相場ですから、この差が今の金と白金の価格差に表れているようです。

 

 

ここで話が変わりますが、この8月2日から16日までの間に相場を考える上で参考になりそうな出来事が2つありました。

 

まず1つは、8月6日の朝7時ごろに米国が中国を「為替操作国」に認定のニュースがでましたねえ。

 

さて、認定されるとどうなるのでしょう?

 

アメリカとの間で二国間協議が行われ通貨の切り上げを要求されるようですね。

 

またアメリカは必要に応じて関税による制裁を行ったりするみたいです。

 

今回のケースは既に米国が、中国に対し関税を引き上げると言っていたのですから、じゃあ中国は人民元を切り下げようと10年ぶりの1ドル7元台乗せでした。

 

そうしたら、米国は為替操作国に認定ですから、順序が逆だった感じです。どちらも引くに引けない感じになっていたのが分かります。

 

中国は日本時間10時15分に人民元の値決めを行うので、その時間の値決めは中国の意図が見える時間です。為替操作国に認定された直後に人民元の切り下げを行えば、米国と戦う意思表明になりますね。

 

しかし、8月6日の10時15分は1ドル=6.9683元に設定しました。市場予想より、ドル安元高水準の設定です。ひとまず中国が引いた形でした。このときはちょっと緊張しました。

 

仮に中国がこの時、元安に誘導し戦う意思を明確にしていたら、日経平均は2万円を割り、大きく円高に振れていたでしょうね。

 

要人の発言でその国の意図は読み取るのが普通ですが、中国は平日の10時15分に人民元の値決めを行うので、そこで意図を読み取るパターンがあることを覚えておいてもよさそうです。

 

そして2つ目は、8月14日に米で12年ぶり長短金利逆転(2年物と10年物)がおきてNYダウが800ドル超の下落がありました。

 

それにより、金も乱高下がおきました。長短金利が逆転すると、色々な※アルゴリズム取引が発動するようです。

 

※アルゴリズム取引

コンピュータが自動的に売買の注文を出す取引をアルゴリズム取引といいます。アルゴリズム取引では、テクニカル分析や出来高、時にはマーケットのニュースやキーワードなどに反応するシステムが組み込まれていることもあります。

 

何故? 長期金利と短期金利が逆転すると、マーケットは動くのかちょっと考えてみましょう。

 

本来、長期金利は貸し倒れのリスクがあるので、金利は高くなります。

 

又、長期金利は将来の市場がどうなるかを反映しています。良くなると思えば10年債は売られ長期金利は上昇、悪くなると思えば10年債は買われ金利が下落となります。

 

今回は米中貿易摩擦が心配される中、実際に悪い経済指標が出て、10年債に資金が集まり、金利が2年債利回りを下回るほど買われ、色々なアルゴリズム取引が発動しNYダウが800ドル暴落したということです。

 

又、米国では過去30年の間に3回逆転現象が起きて、いずれも1~2年後に景気後退が起きました。

 

しかしこれだけで、本格的な景気後退が起きると言えるのですかねえ?

 

過去の金利水準より今は低金利ですから、今回は果たしてあてはまるのかな?とも感じます。

 

一般的な説明では、金融機関は短期金利で資金を調達し、金利を上乗せて貸し出したり、資産を運用して稼ぐのですが、逆転してしまうと利ざやが取れなくなり、金融機関が貸し渋りを行い、そして景気が悪化するというメカニズムらしいですよ。

 

実際、短期間で相場を動かす材料なのは間違いないので、今後の相場を考える上で参考にして下さい。

 

 


-商品先物取引の登り方- 吉田文吾の知ってお得な先物コラム

 

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