取組高から考える相場(金)

2019年9月30日 投稿

 

※これを書いている9月30日朝9時の時点で、TOCOMが9月27日(金)のカテゴリ別取組高表の発表が無い為、9月26日(木)時点の数字で書きます。チャートは9月30日朝9時の時点です。(取引所はたまに発表が遅れることがあります。)

 

9月24日から26日までのは前週末より10円値下がりして、一般投資家(投資家、取次者経由)は3,933枚、買い越しました。

 

2019年9月26日取引終了時点 カテゴリ別取組高表(週間増減) 金(標準取引)

 

トータルは7,313枚の売り越しです。

 

続いて一般投資家(投資家、取次者経由)日々の玉の動き、NY金ETF残の推移です。

 

国内金・取組内容・値段推移 NY金・ETF残高推移

 

9月25日と26日の東京金は高値で5,274円を付ける場面があり、5,304円の高値にチャレンジかと思いましたが、トランプ大統領弾劾懸念が後退と中国との通商合意が予想よりも早期に実現する可能性があるとの考えを示したことにより、金は急落となりました。

 

NY金ETFも20日23日25日と大きく残高を増やして、高値トライだったのですが、ちょっと失敗の形に見えます。

 

しかしトランプ大統領がニュースによく出てくるなあと思い、9月のニュース21日間のなかで、15回出てきているんですよ、米中問題、FRBに対する発言、ファーウエイ、イランとサウジの問題、ウクライナ問題などです。

 

トランプ大統領は前日語った雰囲気を、翌日平気でひっくり返してくるのだから、振り回されてしまいますね。この人ほど一喜一憂させる大統領は今後出てこないでしょう。

 

又、トランプ大統領は発言が唐突なので、恐らく大統領の発言による※アルゴリズム取引が株や金などで動いているでしょうね。

 

※アルゴリズム取引

コンピュータが自動的に売買の注文を出す取引をアルゴリズム取引といいます。アルゴリズム取引では、テクニカル分析や出来高、時にはマーケットのニュースやキーワードなどに反応するシステムが組み込まれていることもあります。

 

東京金の日足チャートを見てみましょう。

 

チャート 東商金 期先つなぎ足 日足

 

金の日足を見ると、5,200円を挟んでの三角持合に移行している感じです。

 

続いて東京金の週足です。

 

チャート 東商金 期先つなぎ足 週足

 

週足の終値ベースで見ると、5,219円が高値なんですよ、何回か高値トライしている感じですけど、意外に終値ベースでは高くないんだなと思いました。

 

NY金、ファンドの取組推移を見てみましょう。

 

NY金の大口投機玉(オプション取引を含む)

 

こちらは、NY金9月24日のデータなので、高値トライする直前の数字ですねえ、取組高は最高枚数を更新しているので、エネルギーは溜まっている感じです。しかし高値トライは失敗しているので、多少整理の商いは出ているものと思われます。

 

 

話は変わりまして金価格は1999年9月の安値836円を底に、2019年9月の高値5,304円を付けるまで丁度20年なんですよ。

 

この20年で金が6.34倍まで上昇した原因を振り返って見たいと思います。

 

ちょっと見えにくいですが東京金の月足チャートです。

 

チャート 東商金 期先つなぎ足 月足

 

さて、この20年、長期的に上昇してきた原因は、需要と供給はもちろんですが、やはり一番の理由は量的緩和政策で紙幣の価値が下がっていることだと思います。

 

金利が下がり続けているのも理由のひとつですね。

ここ2年くらいでは、トランプ大統領の出現も大きいですねえ。世界経済を不透明にさせていますし、政策決定なども通常のプロセスではなく、いきなりツイッターで発表とかですから混乱します。

 

又、大統領はドルを安くさせたい人ですから、金を買っておこうという動きも出ます。

 

米国の株価が危ないと見る向きもありそうです。地政学的リスクも多少はありそうですね。

 

後は中央銀行の買いですね、2018年は1971年以来最高水準だったんですよ。ワールド・ゴールド・カウンシルによると2018年は651トン買っています

 

ざっとこの20年の金価格上昇理由を書いてみました。

 

ちなみに、1999年の安値をつけたのも中央銀行だったんですねえ。

 

中央銀行と金と言えば、1990年代から2000年代前半にかけて欧州主要中央銀行が大量に金を売却しました。金利の付かない金を保有するより、ドルに換えて保有した方が良いとの判断でした。

 

イギリス、スイス、フランス、ベルギー、オランダと相次いで公的金売却が続き、市場は次はどこの国が金を処分するのか疑心暗鬼になりました。NY金も1999年には250ドル台の最安値をつけました。円建てではグラム800円台です。

 

これでは金を外貨準備として大量に保有する中央銀行にとっても一大事。

 

そこで各国の中央銀行はワシントンでIMF総会後に集まり、金売却自主規制案を決めました。中央銀行の金売却は年間400トンを上限として抑制するという内容です。これは効きました。

 

事実、250ドル台は結果的に最安値となりました。

 

金大量売却に走った欧州の中央銀行は極めて安い価格で売り急ぐ結果になったのです。イギリスなど353トンもの金を推定価格300ドル以下で売り払い、後々国会で追及材料扱いされたほどでした。

ざっと金の20年くらいを振り返ってみました。金価格が上昇するということは、紙幣価値が落ちたり、不安が高まったりと、あまり良い事とは言えない感じがしますね。

 

 

商品ではないのですが、日本時間9月25日午前5時頃から、急にビットコインが崩れたんですよねえ、101万円台から86万円台までの急落だったんですよ。

 

ビットコインの日足チャートです。

 

チャート ビットコイン 日足

 

3ヶ月間にわたり形成された三角持合を下抜けストップロスを巻き込んでの急落でした。

 

金とビットコインは時期を同じくして買われたのですが、ビットコインが崩れました。ビットコインは40万円台から150万円近辺まで上昇したので、150万円で値段を出し切ったんだと思います。3.5倍以上に吹き上がり、日柄を要しても高値を取りに行かず三角持合を形成し、下抜けてしまえばストップロスがでるのはしょうがありません。

 

このチャートは三角持合を抜けた時に、きれいに動いたので、今回は乗せてみました。

 

それにしてもビットコインはボラティリィティがかなり高いですねえ。

 

ただ、今の20代は金よりも仮想通貨に魅力を感じているそうです。

 

仮想通貨は金の持つ信用力を超えることができるのでしょうか?超えるには相当ハードルが高いと思いますけどねえ。

 

 


商品先物取引の登り方- 吉田文吾の知ってお得な先物コラム 当社ストラテジストのマーケット展望

 

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