取組高から考える相場(金と白金)
9月30日から10月4日までの金は前週末より30円値下がりして、一般投資家(投資家、取次者経由)は957枚、買い越しました。

トータルは5,843枚の売り越しです。
続いて一般投資家(投資家、取次者経由)日々の玉の動き、NY金ETF残の推移です。

10月1日の東京金は87円安の5,073円まで下落し、三尊天井形成かと思われるチャートでした。
東京金の日足です。

10月1日の陰線は三尊天井を決めるネックラインを割ったように見えました。翌日は戻りを入れるもネックラインに押し戻され、上髭を付けた陽線です。
普通でしたら下値を追ってもおかしくないのですが戻りを入れています。NY金のETF残を見ても投げが出ていないのが分かります。
続いてNY金、ファンドの取組推移を見てみましょう。

こちらを見ますと取組高を大きく減らし、差引買残も大きく減らしたのが分かります。
ここからもう少し調整が続くのかな?とも思いました。
NY金の日足チャートを見てみましょう。

こちらも三尊天井形成のように見えましたが、ネックラインを超えて1,500ドル台回復です。
黒く引いたトレンドラインが目先の上値抵抗になると思います。
何故金は10月1日のネックラインを割った陰線から切り替えしてきたのでしょう?
10月2日のニュースでは、9月ISM製造業指数は前月の49.1から47.8まで大きく下振れしたことと、トランプ米大統領の、米政策金利は「高過ぎ」で強いドルは米製造業に打撃を与えていると述べ、米連邦準備理事会(FRB)の政策を改めて批判したことによりドル安に振れたこと、又香港で展開された反政府デモとの衝突で、警察の実弾発砲動画が世界を駆け巡り、デモ参加者が重体となったことで不安が煽られ、金が反発しました。
金にとって買いになりそうなニュースが日常的に入ってくるのですから、NY金のETF残が減らない理由も分かります。
今回の金の下げはNY金の内部要因による買い過ぎによるポジション調整の意味合いが強く、外的要因で金を売る状況で今は無さそうです。
NY金ETFの残高が減っていないことから、金は買っておきたいという表れだと思います。
金が外的要因で売る状況になるには、米中問題解決と今後の経済不安払拭で株価が上がっていく状況になることかもしれませんね。
さて金と時を同じくして急落した東京白金を見てみましょう。
9月30日から10月4日までの白金は前週末より184円値下がりして、一般投資家(投資家、取次者経由)は6,033枚、買い越しました。

トータルは10,513枚の買い越しです。
続いて白金の一般投資家(投資家、取次者経由)の玉の動きと金との鞘を見てみましょう。

続いてNY白金、ファンドの取組推移です。

さて白金は金と違い戻りがにぶいですねえ、NY白金ファンドの取組推移を見ても、ひと相場が終わった感じがします。
金と白金の日足鞘チャートを見てみましょう。

こちらを見ると、8月16日が最大に鞘が開き2,307円でした。そこから9月12日に1,891円まで縮まりました。しかしこれを書いている10月4日朝には2,132円まで拡がってしまいました。
7月25日の安値を割れずに跳ね返された格好です。6月25日の2,079円で止まっていれば、三尊の可能性を残しましたが、あっさり超えてしまっています。
白金が弱く、金が強いということが分かります。
東京白金の日足チャートを見てみましょう。

10月1日に白金は三角持合を下抜けました。金は三尊天井形成かという日でもありました。
白金はご覧のとおり戻りが鈍いです。それが金と白金の鞘になって表れています。
どちらもネックラインを割っての下落でしたが、買う材料に乏しい白金の下落が目立ちました。
NY白金の日足チャートを見てみましょう。

NY白金も1日だけ1,000ドルにタッチしましたが、今回もはじき返され崩れました。高値トライはちょっと日柄か材料が必要な感じですね。
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