取組高から考える相場(金とパラジウム) 今年に入ってパラジウムのリースレートがすごかった

2020年1月27日 投稿

 

1月17日(金)から1月24日(金)までのは前週末より11円値下がりし、一般投資家(投資家、取次者経由)は1,783枚、買い越しました。

 

2020年1月24日取引終了時点 カテゴリ別取組高表(週間増減) 金(標準取引)

 

トータルは186枚の売り越しです。

 

続いての一般投資家(投資家、取次者経由)日々の玉の動き、NY金ETF残の推移です。

 

国内金・取組内容・値段推移 NY金・ETF残高推移

 

東京金は1月17日(金)の終値に対し1月24日(金)11円値下がりし、1,783枚買い越す週となりました。トータルは186枚の売り越しです。5,500円を挟んでのもみ合いなので、大きな玉の変動はありませんでした。NY金ETFは、少しずつ価格が上昇していますがETF残は微増でした。

 

東京金の日足チャートを見てみましょう。

 

チャート 東商金 期先つなぎ足 日足 1月8日陽線高値5,574円 1月9日陰線高値5,534円

 

続いて東京金の週足チャートを見てみましょう。

 

チャート 東商金 期先つなぎ足 週足

 

まずは東京金の日足チャートを見ますと、中国のコロナウイルスに対する不安が拡がりをみせ、週明けの東京金は買われています。1月9日の陰線を上回ってくるようだと、1月8日の高値トライの形になってきます。

 

東京金の週足チャート上昇トレンドを継続している形です。

 

NY金の日足チャートを見てみましょう。

 

チャート NY金 中心限月(20/02) 日足

 

NY金の日足チャートは1月8日につけた1,600ドル越えの上髭陰線の中に入ってきています。コロナウイルスに対する不安も相まって高値トライの様相となってきました。

 

続いてNY金、ファンドの取組推移を見てみましょう。

 

NY金の大口投機玉(オプション取引を含む)

 

21日時点ではNY金価格がもみ合いの中ということもあり、大きな増減はありませんでした。

 

続いて価格の変動が激しい、東京パラジウムを見てみましょう。

 

1月17日(金)から1月24日(金)までのパラジウムは前週末より500円値上がりし、一般投資家(投資家、取次者経由)は107枚、買い越しました。

 

2020年1月24日取引終了時点 カテゴリ別取組高表(週間増減) パラジウム

 

続いてパラジウムの一般投資家(投資家、取次者経由)の玉の動きと金や白金との鞘を見てみましょう。

 

国内パラジウム・取引内容・値段推移・白金との価格差推移・金との価格差推移

 

さてこのパラジウムという銘柄は、去年の上昇率第1位の銘柄でしたが、取組高が大変少ない銘柄です。倍率は白金と同じ500倍で白金系金属に属しています。昔は金や白金より価格が下でしたが、今は完全に金や白金より価格が上になっています。

 

一般投資家(投資家、取次者経由)の玉の動きを見てみますと、元来、金や白金よりパラジウムの価格が下だったものですから、売り持ちになってしまうのも頷けます。ここ1週間は価格が500円も上昇してしまい、売り方が損失覚悟の踏みが入った格好です。

 

パラジウムが上昇している理由は幾つかありますが、今年に入り急上昇した理由にパラジウムのリースレートの上昇というものがあるんですねえ、その部分を簡単に説明してみたいと思います。

 

まずリースレートとは?

 

貴金属を担保にして資金を貸し借りする場合の金利レートです。リースレートが高い場合は供給量が少なくリースレートが低い場合は供給量が多いと考えることができます。

 

取引はリース市場で行われ、主な借り手は鉱山会社や貴金属ディーラーが挙げられ、主な貸し手は各国中央銀行となっていることが多いようです。

 

個人投資家のレベルでは、貴金属を預けても金利を生まないばかりか、逆に保管料を取られることもあります。しかし、貴金属ディーラー間の取引では、通貨と同じく、貴金属の貸借市場が発達しており、金利を支払って金を借り、逆に金を貸し出すことで金利を稼ぐことも可能なんですねえ。

 

簡単な計算式があるので、書いてみます。パラジウムの急騰理由になったパラジウム1月17日につけたリースレートを用いて計算してみます。

 

1ヶ月物のリースレート:年率43.25%

 

ベースプライス(=スポット価格)2,280ドル/オンス

 

このときのリース料は 2,280×43.5%×1/12=82.65ドル/オンスとなります。

 

つまり、82.65ドル/オンスで1ヶ月間貸すことができ、借りることができるんですねえ。

 

ちなみに今年に入ってのパラジウムと白金のリースレートを表にしてみました。いかにパラジウムのリースレートが異常なのかわかると思います。

 

パラジウム・リースレート(貸出金利・理論値) 注 実際のリースレートとは異なる可能性があります。

 

 

プラチナ・リースレート(貸出金利・理論値) 注 実際のリースレートとは異なる可能性があります。

 

今の貴金属のリースレートは1%を滅多に超えないのですが、パラジウムだけは低くても6%台で推移し、供給不足が急激に強まるとリースレートが表のように金利が上昇します。

 

白金とリースレートの推移を見比べてもらえれば、パラジウムの急激な上昇も頷けると思います。このような観点から相場を見てみるのも面白いかもしれませんね。

 

 


-商品先物取引の登り方- 吉田文吾の知ってお得な先物コラム

 

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