取組高から考える相場(金とパラジウムと原油) 商品の「限月間のサヤ(価格差)」ってご存知ですか?

2020年2月10月日 投稿

 

1月31日(金)から2月7日(金)までのは前週末より14円値上がりし、一般投資家(投資家、取次者経由)は3,748枚、売り越しました。

 

2020年2月7日取引終了時点 カテゴリ別取組高表(週間増減) 金(標準取引)

 

トータルは2,754枚のドテン売り越しです。

 

続いての一般投資家(投資家、取次者経由)日々の玉の動き、NY金ETF残の推移です。

 

国内金・取組内容・値段推移 NY金・ETF残高推移

 

東京金は1月31日(金)の終値に対し2月7日(金)は14円値上がりし、3,748枚売り越す週となりました。トータルは2,754枚のドテン売り越しです。

 

しかしNY金ETF残はドル建て価格が下がると押し目買いとなり、そのあと価格が上昇しても買いを乗せてきています。

 

東京金の日足チャートを見てみましょう。

 

チャート 東商金 期先つなぎ足 日足 1月8日高値5,574円

 

1月に入り米国とイランの衝突から大きく吹き上がり1月8日には5,574円を付けました。しかし、米国とイランとの緊張が緩み、高値追いにはなりませんでした。そしてこの1ヶ月は5,450円~5,550円でのボックス相場に移行しています。

 

NY金の日足チャートを見てみましょう。

 

チャート NY金 中心限月(20/04) 日足 1月8日高値1,613.3ドル 2月3日高値1,598.5ドル

 

こちらを見ますと、1月8日の高値に対し2月3日にチャレンジしましたが、1,600ドルを抜けられず、1,550ドル辺りまで下落しました。しかし直近の下値を抜くでもなく、持ち合いの様相になってきました。

 

続いてNY金ファンドの取組推移を見てみましょう。

 

NY金の大口投機玉(オプション取引を含む)

 

NY金のファンドは価格の下落とともに差引買残を減らし取組高も減らしてきています。こちらを見るとパワーが溜まっているようには見えてきません。

 

続いて価格の変動が激しい、東京パラジウムを見てみましょう。

 

1月31日(金)から2月7日(金)までのパラジウムは前週末より27円値下がりし、一般投資家(投資家、取次者経由)は78枚、買い越しました。

 

2020年2月7日取引終了時点 カテゴリ別取組高表(週間増減) パラジウム

 

トータルは160枚の売り越しです。

 

続いてパラジウムの一般投資家(投資家、取次者経由)の玉の動きと金や白金との鞘を見てみましょう。

 

国内パラジウム・取引内容・値段推移・白金との価格差推移・金との価格差推移

 

日々の値動きが激しいですねえ、一気に値位置を変えてくるので、振り回されてしまいます。

 

続いて東京パラジウムの日足チャートを見てみましょう。

 

チャート 東商パラジウム 期先つなぎ足 日足 1月23日高値8,426円 2月6日高値8,250円

 

さてチャートを見てみますと、1月23日の高値8,426円7,500円辺りの持合いを経て2月6日に高値トライを試みましたが、8,250円で頭打ちとなり、再び7,500円近辺まで下落してきました。やはりパラジウムの使い道の8割はガソリン車の触媒となるため、中国の新型コロナウイルスによる、中国自動車工場の操業停止などが少なからず影響しているかもしれませんね。高値トライには少し時間がかかりそうです。

 

続いてパラジウムのリースレートを見てみましょう。

 

パラジウム・リースレート

 

こちらは1月半ばに大きくリースレートを上げましたが、1月月末にかけ7.75%まで下げました。しかし2月に入り再び上昇の兆しを見せています。

 

続いて東京原油を見てみましょう。

 

1月31日(金)から2月7日(金)までの東京原油は前週末より540円値下がりし、一般投資家(投資家、取次者経由)は1,776枚、買い越しました。

 

2020年2月7日取引終了時点 カテゴリ別取組高表(週間増減) プラッツドバイ原油

 

トータルは4,477枚の買い越しです。

 

続いて東京原油の一般投資家(投資家、取次者経由)日々の玉の動き、2番限月と6番限月のサヤ(価格差)を見てみましょう。

 

国内原油・取組内容・値段推移

 

1月に入り米国とイランの揉め事が原油価格を押し上げました。しかしイランが米国との衝突を避け、緊張が緩んだこともあり、原油価格も緩んできました。しかし一般投資家(投資家、取次者経由)は1月6日の高値の日に買い付いてしまい、2月7日までの下落途中も難平買いを続けている状況です。かなり苦しい戦いを強いられています。

 

 

さて原油価格は今年に入り米国がイランのカセム・ソレイマニ司令官を殺害し、それに対しイランが米国に報復をしたことにより吹き上がりました。

 

その後新型コロナウイルスの出現で原油は暴落しています。

 

今回は原油が暴落した時に起きた限月間のサヤ(価格差)に着目してみました。

 

今回原油の暴落原因になっているのは、新型コロナウイルスの影響で多くの中国企業が営業再開を当面見合わせる事となり景気減速原油需要後退懸念が下げた理由になっています。中国は米国に次ぐ原油消費国(世界全体の1割)なのですから当然原油は余ってきます。

 

本来消費されるはずだった原油が使われなくなるのが暴落の理由です。

 

下がるのは必然ですが、商品には限月というものがありサヤ(価格差)が存在します。ガソリンや灯油の場合は需要期の限月が高くなる傾向がありますねえ。

 

さて東京原油の場合はドバイ原油の価格を指標とする中東産原油の円建て価格となります。

 

そして最近起きた新型コロナウイルスにより、急激に原油の需要が後退すると、先物市場の期日が近い限月に売りが集まります。(原油が消費されず余ってしまうので、逆ザヤで一番高い期近で原油を渡してしまおう)といった考えです。

 

すなわち、納会に近い限月から、下げやすくなってくるんですねえ、2番限と6番限の価格の推移を上記の表の右端に乗せてみました。

※東京原油の1番限はドバイ原油の平均価格となるため、他の限月の動きとは異なるので鞘の計算にはあてはめませんでした。

 

新型コロナウイルスが簡単には終わらない状態と市場が判断した時から、東京原油2番限~6番限の逆ザヤが急速に縮まってきたのが分かります。(順ザヤ方向に力が加わる)

※これとは反対に急激な原油供給不安が起きると(戦争やテロなど)、逆ザヤが大きくなっていきます。

 

順ザヤ逆ザヤなど、サヤには今の商品事情が反映されています。簡単に特性を書いてみました。

 

1.順ザヤの特性

 

限月間のサヤ形態で納会に近い限月が安く先限に連れて高くなっていく形態の基本を順ザヤと言います。

 

順ザヤになる理由は、「今すぐ買う場合に比べ、数ヶ月後に買う約束をする場合には、倉庫料や金利分が加算されるため先の限月のほうが高くなる」と言われています。

 

しかし、「目先の需給はだぶつき気味であるために期近物は安い。しかし、いずれは需給が引き締まり、値上がりするとの期待で期先物に買いが集まる」という解釈もあったりします。

 

市場規模も大きく、需給が安定しているものは、比較的本来のサヤの意味に含まれる金利、金利差、倉庫料などを素直に反映することが多いように思います。

 

2. 逆ザヤの特性

 

限月間のサヤ形態で納会に近い限月が高く先限に連れて安くなっていく形態の基本を逆ザヤと言います。

 

逆ザヤになる理由は「目先は品薄間が支配している。しかし、いずれは それが解消する。」 といった思惑が働くための現象だと言えそうです。

 

このほかには、仕手などによる買占めの結果として逆ザヤになることもあったりします。

 

昔は小豆やゴムで仕手戦なんかもあったりしたのですが、最近は聞かなくなりましたねえ。

 

鞘の変化から商品事情を考え、相場を観るのも面白いかもしれませんね。

 

 


-商品先物取引の登り方- 吉田文吾の知ってお得な先物コラム

 

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