取組高から考える相場(金と白金と原油) 新型コロナウイルス相場で大暴落
2月21日(金)から2月28日(金)までの金は前週末より170円値下がりし、一般投資家(投資家、取次者経由)は4,635枚、売り越しました。

トータルは8,751枚の買い越しです。
続いて金の一般投資家(投資家、取次者経由)日々の玉の動き、NY金ETF残の推移です。

ここにきて相場の動きが激しくなってきました。東京金の一般投資家(投資家、取次者経由)は1月8日の高値5,574円を上抜けてから、加速度的に買い乗せをしてきましたが、NY株の大暴落から、金にも大きな利食いがでてきて、3月2日の取引で国内は5,423円まで売られる場面がありました。市場はパニック的な動きになっています。
NY金ETFは急落にもかかわらず、あまり動いていません。
東京金の日足チャートを見てみましょう。

さて東京金は新型コロナウイルスによるNY株の大暴落の影響から、金も換金売りにより、大きく下げています。チャートは3月2日の朝10時頃まで入っていますが、5,500円割れの水準は1ヶ月以上のもみ合いが続いた価格帯なので、大出来高の下髭と強い抵抗を見せています。
今は新型コロナウイルス相場に移行しており、状況が落ち着かなければ、激しい相場環境が続きそうです。
NY金の日足チャートを見てみましょう。

NY金は中々の大陰線を引いていますが、これを書いている3月2日午前10時の時点では1,600ドルを回復しているので、下値抵抗が機能しています。
続いてNY金、ファンドの取組推移を見てみましょう。

NY金の取組は価格の上昇とともに取組高を増やしてはいるものの、差引買残は何故か減りました。このことから考えられるのは、新規売りと新規買いのファンドがぶつかり合ったことが想像できます。これはあくまでも個人的な想像ですが、新型コロナウイルスでの売り仕掛けを狙ったファンドがいたのかな?と思いました。
続いて東京白金を見てみましょう。
2月21日(金)から2月28日(金)までの白金は前週末より424円値下がりし、一般投資家(投資家、取次者経由)は3,374枚、買い越しました。

トータルは9,460枚の買い越しです。
続いて白金の一般投資家(投資家、取次者経由)の玉の動きと金との鞘(価格差)を見てみましょう。

さて東京白金と金との鞘(価格差)は2019年8月16日の2,307円を抜けてから、2,583円まで白金の割安が進みました。このような鞘(価格差)でもポイントを抜けたりすると、普通のチャートと同様に走ったりするので、覚えておいてもよさそうですね。
東京白金の日足チャートを見てみましょう。

東京白金の期先つなぎ足チャートは、大きく窓(ギャップ)を開けているように見えますが、新甫発会のある日は、夜間取引分のチャートが抜けてしまうので、このようなチャートになってしまいます。(2020年12月限のチャートは窓が開いていません。)
そしてトレンドラインを下抜けてからは、売り圧力が強くなって、大きく下げています。
これを書いている午前11時ごろは3,000円の下値抵抗を受けて3,050円近辺まで戻しています。
NY白金の日足チャートも見てみましょう。

NY白金の日足チャートは975ドル辺りの抵抗を下抜けてから、投げ売り状態になっています。さすがに外部環境が落ち着けば、1回は戻りを入れそうですが、本格的な上昇は底値で日柄が必要な感じがします。
続いてNY白金、ファンドの取組推移を見てみましょう。

NY白金のファンドは2月25日の下げで大きく差引買残を減らしましたが、これを書いている3月2日の時点では900ドルも大きく割れているので、差引買残と取組高はある程度減っているものと想像ができます。外部環境がこれだけ悪くなってくると、再度上昇を始めるには、一回大きく玉整理が必要になってくると思います。
最後に東京原油を見てみましょう。
2月21日(金)から2月28日(金)までの原油は前週末より5,850円値下がりし、一般投資家(投資家、取次者経由)は1,430枚、売り越しました。

トータルは1,948枚の買い越しです。
続いて原油の一般投資家(投資家、取次者経由)日々の玉の動きを見てみましょう。

さて東京原油の一般投資家(投資家、取次者経由)は年始めの米国とイランの緊張から原油が吹き上がり、1月6日の43,690円から買い下がり(ナンピン)を行っておりましたが、新型コロナウイルスの影響から、ここにきて下げが急速になり、少しずつ投げている日々が続いています。
また2番限と6番限の逆ザヤが1月6日の時点では2,880円あったのですが、2月28日の時点では順ザヤ30円まで来てしまいました。これは期近の原油が新型コロナウイルスの影響でだぶつき気味になっていることを現しています。
東京原油の週足チャートを見てみましょう。

東京原油は1月最初の高値から1万円以上の下げに見舞われています。さらに2018年12月25日の安値32,890円も3月2日の取引では、32,460円を付ける場面がありましたが、日中取引では34,000円台まで戻しています。2018年の安値(32,890円)と本日の安値(32,460円)がポイントになりそうです。ただ新型コロナウイルスの影響が落ち着くことが大前提になりそうです。
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