取組高から考える相場(金と白金) ここ最近、白金のリースレートが上昇中

4月10日(金)から4月17日(金)までの金は前週末より37円値下がりし、一般投資家(投資家、取次者経由)は2,919枚、買い越しました。
トータルは4,322枚の買い越しです。

続いて金の一般投資家(投資家、取次者経由)日々の玉の動き、NY金ETF残の推移です。
さて、東京金ですが、2月25日の高値(5,913円)を超え、新たなステージへ入ってくるのかと思いましたが、上に走らなかったので、調整に入りそうな雰囲気が出てきました。外部環境は多少落ち着きを見せ、株価がしっかりしているので、金に資金が集中しきれないのかもしれません。またNY金ETF残高も11日連続で増やしましたが、ここ2日は足踏み状態になっています。
東京金の日足チャートを見てみましょう。

東京金は2月25日の高値(5,913円)を4月14日に超え5,985円を付け、15日に5,989円そして17日に5,997円と高値を更新しましたけど、押し返されてしまいました。高値は抜けているけど中々走らないなあ、という印象を受けていましたけど、17日の高値を付けた日の陰線でひとまず調整に入るかなという形になったと思います。
続いてNY金の日足チャートです。

NY金の日足チャートを見てみますと、高値を付けた後、黒三兵が出現しています。1,700ドルを下値抵抗に切り返すのか?セオリー通り黒三兵で調整入りに入るのか?といった局面に入ったと思います。
続いてNY金、ファンドの取組推移を見てみましょう。

さてNY金ファンドの差引買残なんですけど、高値を更新している割には大して増えてこない印象を受けます。高値を更新していたのでもっと増えていると思っていました。やはり取組を大きく減らしてからの急上昇なことや、解約なども増えて、ファンドの運用資金自体が減っているかもしれませんね。
続いて東京白金を見てみましょう。
4月10日(金)から4月17日(金)までの白金は前週末より3円値上がりし、一般投資家(投資家、取次者経由)は1,133枚、買い越しました。

トータルは11,241枚の買い越しです。
続いて白金の一般投資家(投資家、取次者経由)の玉の動きと金との鞘(価格差)を見てみましょう。

さて東京白金なんですけど、金との価格差が3月14日に3,341円まで拡がりました。今年の安値が1月21日の1,883円でしたから1,458円も拡がったんですよ。白金だけ置いて行かれる感じが続いています。白金を買っている一般投資家(投資家、取次者経由)は割安に見えてしょうがないと思います。
東京白金の日足チャートを見てみましょう。

東京白金はここ1ヶ月2,500円を超えたところでの持合いが続いています。ボラティリィティも大分落ち着いてきました。
NY白金の日足チャートも見てみましょう。

さてNY白金は4月14日に838.2ドルまで吹き上がったんですけど、国内価格は2,721円が高値だったんですよ。2,800円台に入ってもおかしくないのになあと思い何故上がらなかったか調べてみたら、白金の現物市場価格(スポット価格)はこの日789.75ドルまでしか上がっていなかったんですよ。つまりNY白金だけ上がってしまったんです。
本来、金や白金は市場ごとの価格差が大きく出ないんですけど、それが起きてしまったんですねえ、その理由として考えられるのは、先日NY金と現物市場価格(スポット価格)で同様の現象が起きたんですよ。一時国内価格とNY金の円建て価格が300円以上(NY金が高い)開いてしまったんです。(今は80円くらいに縮まっています。)
その理由が新型コロナウイルスの影響でスイスで作られている、NY金の受渡共用品が一切作れなくなってしまったからなんですねえ。(今はNYの取引所が受渡共用品の数を増やし、価格差を縮める努力をしています。)
価格の高い市場を売って安い市場を買い、そして受渡しを行なうことによって各市場の価格差を保っていたのですが、取引所ごとに受渡共用品の規格が違うため、受渡共用品が作れなくなってしまうと、売り方が渡せないので買戻しをせざる得なくなります。
恐らく白金でも同様の現象が起きたのかなあ?と思いました。
また白金のリースレートがここ最近上がっているので、現物の流動が減っているのかもしれません。
白金のリースレート表です。

4月14日からリースレートが跳ね上がりましたが、17日分から下がりました。白金は本来リースレートが大きく動く銘柄ではないので、これだけ動いているということは、現物の動きに何か起きているのかもしれませんね。最近東京白金も逆ザヤが進んでいますし。
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