取組高から考える相場(金と原油) 原油価格は30,000円突破、金価格は好調な米雇用統計で緩む
5月29日(金)から6月5日(金)までの金は前週末より60円値下がりし、一般投資家(投資家、取次者経由)は2,409枚、売り越しました。

トータルは9,533枚の買い越しです。
続いて金の一般投資家(投資家、取次者経由)日々の玉の動き、NY金ETF残の推移です。

さて東京金は5月29日から60円ほど上昇しましたが、6月5日の米国雇用統計が予想以上に改善したことを受け、これを書いている6月8日の東京金は下落しています。トランプ米大統領は、雇用統計が新型コロナウイルス禍にもかかわらず250万人もの雇用の伸びを示したことを受け、「米国史上最高の復活の日」だと称えた上で、景気は来年までに落ち込みから回復するという見通しを示し、金のETF残高も減少しています。
東京金の日足チャートを見てみましょう。

続いてNY金の日足チャートです。

まず、東京金の日足チャートは、三角持合いの範疇にとどまっています。とりあえずは持合いを抜けた方向についていくのがセオリーとなる場面です。
NY金の日足チャートは、三角持合いを少し下に抜けて、4月21日の安値1,666.2ドルが下値抵抗として機能するか?という場面になってきています。
続いてNY金、ファンドの取組推移を見てみましょう。

NY金は取組高の減少が続いていますねえ、金価格は上昇したにも関わらず、差引買残が減っています。あまり強い取組には見えませんねえ。
続いて東京原油を見てみましょう。
5月29日(金)から6月5日(金)までの原油は前週末より3,120円値上がりし、一般投資家(投資家、取次者経由)は473枚、売り越しました。

トータルは734枚の買い越しです。
続いて原油の一般投資家(投資家、取次者経由)日々の玉の動きと2番限月と6番限月のサヤ(価格差)を見てみましょう。

東京原油はここ最近の価格上昇で一般投資家(投資家、取次者経由)は少しずつ利食いを入れています。
東京原油の日足チャートを見てみましょう。

東京原油の日足チャートなんですけど、3月25日の高値27,740円を明確に上抜けて、3月9日の大陰線を消してくるか?という局面に入った格好です。上昇基調が継続中です。
続いてNY原油、ファンドの取組推移です。

NY原油は戻り歩調に合わせて差引買残も増えています。ただ取組高自体は増えてはいないので、やや踏み上げ気味なのかなあ?という感じです。
ファンド・投資信託と外国商品先物取引業者経由だけの取組推移を見てみましょう。

こちらは結構きつい取組になってきましたねえ、ファンド・投資信託は価格が上昇する中、買い玉を増やし続けていますからねえ、売り向かっている外国商品先物取引業者経由はかなり苦しい形になっていると思います。まあ、ノーヘッジで向かっているとは思えませんがね。(別の市場で原油の買い玉を持つこと、国内3枚売ってWTIやブレンと原油1枚を買うと大体同じ割合になります。)
掲載内容は情報提供を目的としております。情報につきましては細心の注意を払っておりますが、正確さを保証するものではありません。また、取引における判断はお客様ご自身で行って下さい。