取組高から考える相場(金と原油) 金価格は5月19日の高値6,133円を抜けるか?
6月19日(金)から6月26日(金)までの金は前週末より104円値上がりし、一般投資家(投資家、取次者経由)は6,225枚、売り越しました。

トータルは7,012枚の買い越しです。
続いて金の一般投資家(投資家、取次者経由)日々の玉の動き、NY金ETF残の推移です。

さて、東京金は、三角持合いを上抜け、ゆっくりではありますが、5月19日に付けた高値6,133円を目指す動きとなっています。急激には上がらないので、一般投資家(投資家、取次者経由)も少しずつ利食いを入れている状況です。
NY金のETF残高は6月19日に一気に増え、それからは、中々のペースで残高を増やしています。このことに関するニュースがあったので、最後に書きます。
東京金の日足チャートを見てみましょう。

続いてNY金の日足チャートです。

どちらのチャートも持合いを上抜け上昇トレンドが始まっています。とりあえずはどこまで上値を伸ばしてくるのか?という局面に入ったと思います。
続いてNY金、ファンドの取組推移を見てみましょう。

NY金はここにきて取組高を増やしてきましたねえ、価格もここ最近では高値を取っているので、少しずつ人気化しているようです。取組高が130万枚を超えてくるようだと、ちょっとした大相場の様相に変わると思います。
続いて東京原油を見てみましょう。
6月19日(金)から6月26日(金)までの原油は前週末より210円値下がりし、一般投資家(投資家、取次者経由)は16枚、買い越しました。

トータルは875枚の買い越しです。
続いて原油の一般投資家(投資家、取次者経由)日々の玉の動きと2番限月と6番限月のサヤ(価格差)を見てみましょう。

ファンド・投資信託と外国商品先物取引業者経由だけの取組推移です。

まず国内原油は安い日に買って、高い日に売ってと細かく回転しているようです。30,000円台に再び突入することができず、持合いに移行しましたので、細かく回転し、チャートが抜けたほうに付いていくのがセオリーとなります。
またファンドの方も高値トライが出来なかったので、持ち高を減らして調整の様相です。
続いてNY原油、ファンドの取組推移です。

東京原油の日足チャートを見てみましょう。

続いてNY・WTI原油の8月限日足チャートです。

NY原油の8月限は3月5日と3月9日に空けたギャップを6月23日に埋めようとしましたが、結局埋められず調整に入りました。世界ではコロナウイルス第2波懸念が根強く、実際に世界では感染者が増加を続けています。
ただ感染が拡大しても経済を止めることは中々できない状況が原油価格を保っているとも言えそうです。感染拡大中は原油の需要も伸びにくい為、高値を追うには厳しい状況かも知れません。
さてここ最近、NY金のETF残高が増え続けているのをご存知ですか?
18日にロイターの記事に載っていたんですけど、その内容は
世界の富裕層に投資助言をするプライベートバンク(PB)が、金の持ち高をもっと増やすよう勧めているらしいんですよ。
どうも世界の中央銀行による惜しげもない資金供給の影響がどれだけ長く続くかについて懐疑的なのが金を進める理由らしいんですねえ。
確かにお金を刷り続ければ、お金の価値が落ちてしまうのは必然ですから、金価格が上昇するロジックを持ち合わせているのも頷けます。
また中銀の大規模な資金供給による債券利回りの低下ぶりで、利息を生まないはずの金の魅力が相対的に上昇しているとも述べています。
ロイターが取材したPB9社はいずれも顧客に金への配分増加を助言しており、このうち4社は金価格の見通しも回答、今年末の価格は現時点を上回ると予測したそうなんですねえ。(この記事が出た時の金の8月限の終値は1,735.6ドル)
まあ、ドルが下落してドル建て金が上昇しても、円が上昇して東京の円建て金が上昇するかは分かりませんけどね、NY金のETF残高がここ最近増え続けているのはそういった理由らしいですよ。
今後の相場を考える上で参考にして下さい。
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