取組高から考える相場(金と白金と原油) 金価格は調整に入るのか?原油価格はここにきて調整入りの様相
まずは金の価格と、NY金ETF残の推移から見てみましょう。

国内金は9月2日の夜に6,793円まで戻りを入れたものの、戻りの第一関門8月19日高値6,842円に届かず、失速という形になりました。
ここ最近のNY金ETFは利食いか様子見に徹しており、この状態で、高値を取っていくようなら相当強いなとは思いましたけど、残念ながら失速です。
NY金も2,000ドルまで戻しましたけど勢いはつかずの失速なので、値固めをしてから上値チャレンジということかもしれません。
大阪金の日足チャートを見てみましょう。

続いてNY金の日足チャートです。

まず国内の金は切り返しを見せましたけど、戻り高値第一関門6,842円まで行けずに、6,793円で失速の形になりました。
こうなると一回下を試す流れとなりますが、6,600円割れは下髭をつけて戻してくるのか?
トレンドラインに支えられもう一度上を試すのか?
持合いを下に抜けて6,400円辺りを試すのか?
そしてNY金の日足チャートも見てみますと、結構大事な長期トレンドラインがすぐそこにあります。
ここを割ってくるようだと、売り圧力が強まりそうな感じがします。
三角持合いで、今の下限からもう一度上に行ってもおかしくない形にも見えますが、いずれにせよ大事なポイントに近づいているのは間違いありません。
続いてNY金、ファンドの取組推移です。

9月1日の時点では、戻り高値に挑戦中でしたから差引買残を増やして上昇していましたが、取組高は減らしていたので、それほど力のある取組にはなっていませんでした。
これを書いている9月7日時点でNY金は1,940ドル近辺なので、取組高と差引買残は減らしているものと思われます。
取組高も8月4日の1,135,911枚がピークで18日に再度増やすも結局整理が進んでいる形となっています。
取組高の観点からはあまり力強さは感じません。
続いて白金の価格と金の鞘(価格差)を見てみましょう。

白金価格は金の下落につられていますが、金との価格差はあまり縮まりませんねえ、大阪取引所へ移行してからの安値3,008円も9月4日(安値3,041円)に近づいてしまいました。白金の方がむしろ弱い値動きをしている感じです。
大阪白金の日足チャートです。

国内白金は持合い下値の抵抗ラインを抜けたように見えましたけど、これを書いている9月7日午前中は何とか戻している形となっています。
NY白金の日足チャートも見てみましょう。

NY白金は長期のトレンドラインを割って、三尊天井を形成するか?というところで踏みとどまっている形ですねえ、ちょっと割れたように見えましたけど、堪えきれるか?という場面です。
金と白金の価格差(鞘)日足終値チャートです。

金と白金の価格差(鞘)日足終値チャートは緩やかに上昇を続けています。
白金は独自の買い材料が無いと縮まらない感じですねえ、
白金は金に比べて希少性がありますから、白金の採掘作業に影響が出た時に金との価格差は一気に縮まりそうですが、それをあてにはできないですねえ。
続いてNY白金、ファンドの取組推移です。

NY白金の取組高は9月1日時点で価格の上昇と共に取組高を増やしたのですが、差引買残は若干減らしているんですよ。
新規売りが多少入った形でした。
それを肥やしにできるほど、今の白金は買いあがれないんですよねえ、金価格が高い事が、白金の価格を支えている理由ですから、金が弱まれば、どうしても白金は弱まってしまいます。
最後に東京原油を見てみましょう。
原油の一般投資家(投資家、取次者経由)日々の玉の動きと2番限月と6番限月のサヤ(価格差)です。

原油はここにきて(9月7日午前)調整の形になってきた感じがします。
一般投資家は28,000円後半からの売り上がりの形でしたから、これを書いている9月7日時点(先限で28,800円)は一般投資家が買いから売りに回った値段辺りになっています。
ファンド・投資信託と外国商品先物取引業者経由だけの取組推移です。

価格が動かないところからやや下方向となってきたことで、取組がほぐれているのが分かります。
続いてNY原油、ファンドの取組推移です。

ここ最近は価格が上昇しても差引買残を増やさず、少しずつ売っている状況でした。
東京原油の日足チャートを見てみましょう。

続いてNY・WTI原油の10月限日足チャートです。

国内原油、NY原油ともに、6月から続いたトレンドラインを割り込む形となっています。
先週メキシコ湾岸にハリケーン襲来の報道が出ていましたが、それを材料に上昇しなかったことで、原油相場の重さを感じた人が多かったかもしれません。
相場は何かしらの好材料や悪材料に反応して動きますが、トレンド方向の材料に反応しない場合は調整が近いかも?と気に留めておいてもいいかもしれませんね。
相場が下落から反転する場合も悪材料に反応しなくなってくる、といったようなことが起きるので、相場の考え方のひとつとして覚えておいても良さそうです。
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