取組高から考える相場(金と白金) 金と白金が調整入り、踏みとどまるか?
まずは金の価格と、NY金ETF残の推移から見てみましょう。

まず国内金は連休明けに急落となり、連休明け23日水曜日の朝は6,450円からのスタートでした。
その日はお昼ごろから緩み始め、8月12日の安値6,412円を割り込んでからは、大引けにかけて下げを加速し、6,358円の安値引けとなりました。
直近は先限で6,269円が安値となっています。
NY金のETF残高は国内休場中の21日に31.83トンもの大量買いが入りましたが、その価格帯を下に突き破り、23日には11.09トンの投げのような売りが出ました。
これらを見ると金は調整に入っていることが伺えます。
大阪金の日足チャートを見てみましょう。

続いてNY金の日足チャートです。

国内の金日足チャートを見ると、8月12日の安値6,412円を割り込んだところで、3日間持合っている形ですが、7月27日から9月18日までの持合いを下に抜けているので、上のレンジに戻るには少々時間がかかりそうな位置にいます。
NY金の日足チャートも8月12日の安値1,874.2ドルを抜けたところで持合っている形になっています。
1,800ドル近辺まで試してもよさそうな形ですが、1,850ドル辺りで止まっている状況です。
続いてNY金、ファンドの取組推移です。

NY金、ファンドの取組推移は価格の下落と共に差引買残を大きく減らし、これを書いている9月28日(月)時点でNY金12月限は1,865ドル近辺まで下げているので、差引買残をさらに減らしていることが想像できます。
これらを見ても調整に入っていることが分かります。
ここでユーロドルの日足チャートも見てみましょう。

ドル建ての金価格はドル高になると下落し、ドル安になると上昇する傾向にあります。
それを踏まえた上でユーロドルの日足チャートを見てみると、ネックラインを割ってドル高の方向に動きそうに見えているのも、金価格が上昇しにくい理由の一つになっているようです。
続いて白金の価格と金の鞘(価格差)を見てみましょう。

白金は国内連休明けに大きく下落しましたが、金との価格差(鞘)は縮まりませんでした。
下落率で言えば、白金の方が金より下げ率が高くなってしまいました。
(金は23日(水)6,358円で238円安(3.61%安)白金は2,919円で245円安(7.74%安))
これらを見ると金と白金は価格差がメインで動いていることが分かります。
金と白金の価格差(鞘)を縮めるには、白金独自の買い材料が俄然必要になりそうです。
続いて大阪白金の日足チャートです。

国内白金は7月31日の安値3,008円を割り込んで、下のレンジに突入しました。
2,800円近辺は取り組んでいた時間が長く、結構な下値抵抗になる場所にいます。
金がこれから下落し、白金が2,800円の抵抗で堪える場面があれば金と白金の価格差(鞘)は縮まる可能性がありそうです。
NY白金の日足チャートも見てみましょう。

9月3日の安値882.6ドルを割り込み、9月24日には821.3ドルまで突っ込む場面がありました。
800ドル近辺は取り組んだ時間が長かった分、下値抵抗としてとりあえず機能しそうです。
金と白金の価格差(鞘)日足終値チャートです。

金と白金の価格差(鞘)チャートは三角持合いに入っていますね、白金高のトレンドが中々出ませんが、持合いがどちらに抜けるのか?という局面と言えそうです。
続いてNY白金、ファンドの取組推移です。

NY白金は9月15日から22日で124.8ドルも下落したので、ファンドは大きく差引買残を減らしました。
去年の7月以来の差引買残です。その時のNY白金価格は800ドル前半でした。
去年の2月に一回売り越しになったことがあり、その時の値段が789.6ドルで1,153枚の売り越しとなり、それから今までは、買い越しで推移しています。
ファンドに売らし切ってしまった方が、上昇しやすくなるかもしれませんね。
今は玉整理の時間帯なので、整理がどこまで進んでいるか?という意味ではファンドの取組を見るのも悪くないと思います。
相場を考える上で参考にして下さい。
掲載内容は情報提供を目的としております。情報につきましては細心の注意を払っておりますが、正確さを保証するものではありません。また、取引における判断はお客様ご自身で行って下さい。