取組高から考える相場(金と白金) 金価格の上昇を金利上昇が阻む
まずは金の価格と、NY金ETF残の推移から見てみましょう。

国内金は、6,500円台に入れず、少しずつ弱まってきています。値固めをして反発できるか?というところに来ています。
NY金のETF残高はここにきて、減らしてくる日の方が多くなってきました。まとまった量の売りでは無いですが、買い気が乏しい状況になっています。
大統領選を前に持ち高調整はよくある話ですからねえ、バイデン勝利のドル高、金安警戒もあって当然の時間帯と言えます。
大阪金の日足チャートを見てみましょう。

ここ最近は戻りが鈍い感じです。高値も切り下がっているので、6,400円付近で値を固めて反発できるか?というチャート形状です。
続いてNY金の日足チャートです。

NY金は緩やかなダウントレンドですねえ、1,900ドルで値固めをしているように見えますが、トレンドラインを上抜けることができるか?という局面に見えます。
ユーロドルの日足チャートも見てみましょう。

ユーロドルのチャートを見ると、金価格はもうちょっと高くてもいいような気がしますが、上がってきません。その理由にここ最近は米国の10年債利回りの上昇があるようです。
米国10年債利回りグラフを見てください。

8月から金利の上昇が続いているんですよねえ、金利の付かない金より、金利が上昇しているなら、利が乗っている金を換金して、債権を買うのは自然な流れと言えそうです。
米10年債の金利は8月から上昇を続けているので、それに合わせて金価格が緩んでいるのは、債権の方に魅力が出ているのかもしれません。
続いてNY金、ファンドの取組推移です。

NY金のファンドは価格の上昇に合わせて買ってはいますが、上を買っても利が乗らず、言うことを聞かない相場が続いているようです。
続いて白金の価格と金の鞘(価格差)を見てみましょう。

国内白金は2,900円台の居心地がいいようで、同じ価格帯での上下動が続いています。
続いて大阪白金の日足チャートです。

国内の白金はざっくり2つに分けた価格帯の下の中での値動きとなっています。これを書いている10月26日(月)分のチャートは3,069円まで上昇しましたが、上髭となっています。
NY白金の日足チャートを見てみましょう。

NY白金も900ドル台に、一回は入るのですが、中々、上のレンジに入れませんねえ、短期では下値が切りあがっていますが、中期ではダウントレンド気味ですからねえ、トレンドラインが近づいてからどう動くか?という局面になっていきそうです。
金と白金の価格差(鞘)日足終値チャートです。

金と白金の価格差(鞘)は、3,550円を2度付けて緩んできましたねえ、今度は下のラインを試す流れとなっています。
続いてNY白金、ファンドの取組推移です。

10月20日はNY白金の価格が動いていませんでしたから、差引買残を若干減らした形でした。
取組高の内容を見ると、玉整理が大分進んでいるのが分かります。
870ドルより下に行っても、ファンドの買残が少なくなってきているので、深く下には行きづらいのかなあ?という取組に見えます。
かといって上値を買い進むには、材料が足りない気もします。
そうなるとボックス相場が続くのか?という感じです。
近いところで、大きく動く材料があるとしたら、やはり米国大統領選の結果如何というところではないでしょうかねえ。
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