取組高から考える相場(金と白金) 金価格の下落は第3四半期、中央銀行10年ぶりの売り越しが効いているのか?
まずは金の価格と、NY金ETF残の推移から見てみましょう。

国内金は3連休明け、急落から始まってしまいました。週末はしっかりで取引を終えたのですがねえ。
ここ最近のETF残高も買い気に乏しく、決済方向の動きが強かったですし、株が上がれば金が売られる動きに変わっても来ています。本来の動きとも言えそうです。
大阪金の日足チャートを見てみましょう。

国内金は下降チャネル継続ですねえ、中々、上昇トレンドとならず、緩やかな下降トレンドが続いています。
続いてNY金の日足チャートです。

NY金は11月9日の安値1,848ドルを割ってしまい、ストップロスを巻き込み1,828ドルの安値を付けました。
こちらも下降トレンド継続となります。
ユーロドルの日足チャートも見てみましょう。

こちらはドル安気味なのですが、金は重たい値動きがここ最近続いています。
昨晩11月23日夜10時ごろはユーロドル1.1900を超えていたんですけど、NY金はむしろ少し安かったんですよねえ、そしてその後のドル高の動きに合わせて金が急落ですから、金自体が弱い感じがします。
そして金の需給について詳しいワールド・ゴールド・カウンシルという金の調査機関があるのですが、第三四半期に世界の中央銀行トータルで10年ぶりに売り越しに転じたらしいんですよ。このニュースが10月末に出て、それから金自体の買い気が弱まっています。
2020年の第2四半期は112トンの買い越しで、第3四半期は12.1トンの売り越しになったというものでした。
新型コロナ終息の兆しを、この時期は見せていない中、金価格が最高値に近辺で推移していることで、現金化需要が高まったとの指摘があったそうです。
NY金、ファンドの取組推移です。

NY金は取組高自体が増えてきません。価格が下がってきているので、多少人気が付いてもよさそうですが、そのような状況では無いようです。
今は、株などのリスク資産の方へお金が回っているようです。
続いて白金の価格と金の鞘(価格差)を見てみましょう。

ここ最近は金が弱まってきたことと、白金の需給について11月19日の日経新聞に出ていたのですが、ワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシルという白金の国際調査機関の発表によりますと、2020年の白金の需給が37トンの供給不足になるとの見通しを公表しました。
前回は9月に公表したのですが、その時は10トンの供給不足でしたから、ここ最近で供給不足が拡大した形になったんですねえ。
投資需要が増える一方、鉱山や工場の操業停止で供給が減ったことが供給の不足に拍車がかかったそうです。
それによりここ最近は、金との価格差(鞘)を縮めています。
ただ白金の供給不足拡大の要因が投資需要も大きな要因なので、利が伸びれば、利食いが入る可能性も考えておいた方がよさそうです。
続いて大阪白金の日足チャートです。

国内白金は久しぶりに上のレンジに突入しました。
白金の供給不足拡大と、金買い白金売りの巻き戻しなどが白金価格を押し上げているようです。
NY白金の日足チャートを見てみましょう。

NY白金は右上に出た形となり、週明けは金の下落に引っ張られる格好です。
1,000ドル近辺を再びチャレンジできるのか?という位置には来たと思います。
金と白金の価格差(鞘)日足終値チャートです。

金と白金の価格差(鞘)は持合いを下に抜けてから、急激に鞘を縮めてきました。
6月9日に付けた3,005円や4月2日の2,977円などが目標になってきます。
金と白金の価格差(鞘)でも不思議とテクニカルな動きをするんですよねえ。
NY白金、ファンドの取組推移です。

NY白金は取組高を増やし、差引買残を増やしているので、資金の流入を感じる形です。
後は、この流れが続くか?という感じだと思います。
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