取組高から考える相場(金と白金) 金価格は停滞してしまうのか?それとも?
まずは金の価格と、NY金ETF残の推移から見てみましょう。

国内金は5,900円を目先の底に反発をしていましたが、6,280円を戻り一杯にして、緩んできました。
NY金のETF残高はここ5営業日、増減していません。
大阪金の日足チャートを見てみましょう。

国内金の日足チャートは、9月と10月末辺りに付けた、下限を上値抵抗に緩んでいる形です。
一応11月30日の安値を当面の底値としたいところですが、いまいち、力強さに欠ける値動きです。
続いてNY金の日足チャートです。

NY金は1,850ドルを超えて上のレンジに入ったのですが、とりあえず、はじき返された形になりました。
今は、ドル安傾向なので、金価格を保っているようにも感じます。
ユーロドルの日足チャートです。

ユーロドルの日足を見ると、今の金価格は安く感じますねえ、今、ドル高傾向だったら金価格はどれだけ下落していたのか?と考えるとちょっと怖くなります。
個人的に見ている今年に入ってからのNY金/ユーロドルのグラフも見てみましょう。
(NY金の終値をユーロドルで割ったものをグラフにしています。)

これを見ると、現時点で、金(ゴールド)そのものは、強く無いのが分かります。
今は株やビットコインにお金が向かっているようです。
もし1,484を下抜けてくると、3月31日に付けた1,435が目標になってきます。
その前の1,330はコロナショックで、全てが大きく売られたときだったので、ここまで見る必要は無いのかもしれません。
NY金、ファンドの取組推移です。

NY金のファンドは価格の上昇と共に差引買残を増やしてきました。
ここ最近はドル安傾向ということもあり、取組高を増やし、金(ゴールド)への資金流入も多少は出てきた感じです。
続いて白金の価格と金の鞘(価格差)を見てみましょう。

国内白金は価格の上昇と共に、取組高を徐々に減らし一般投資家は利食いが進んでいるものと思われます。
取組高は6月5日の20,668枚が恐らく過去20年くらいで最低水準なので、再びそれに迫る勢いです。
国内白金取引の衰退を感じざるを得ません。
続いて大阪白金の日足チャートです。

大阪白金の週足チャートも見てみましょう。

まず白金国内日足チャートは、3,584円を高値に3,400円辺りで値固めをできるか?という形になっています。
白金は高値を維持できないイメージが結構あるので、ここ最近の取組高の減り具合は理解できます。
国内白金の週足は今年1月の高値3,679円に届いていない形なので、値固めをして上へ向かえるか?となっています。
白金はコロナでの採掘、操業減と投資需要の増加による供給不足でここまで上昇していますから、投資需要が増えるか、利食いが出るかで、大分意味合いが変わってきます。
工業需要が伸びての供給不足ではないところが、上値追いには怖いところかもしれません。
採掘、操業減による供給不足がさらに拡大すれば、上昇には安心となります。
NY白金の日足チャートです。

NY白金の日足チャートは、1,093.1ドルまで一気に駆け上がったのですが、勢いが止まると、利食いが集まった形となり一時1,000ドルを割る場面もありましたが、そこからは反発の形となり、揉み合いになっています。
NY白金の週足チャートも見てみましょう。

ここ4年くらいの高値を一気に上抜けたのですが、走らず小休止となってしまいました。
1,000ドル台を維持できるか?そして再び上に向かえるか?という状況です。
金と白金の価格差(鞘)日足終値チャートです。

金と白金の価格差(鞘)は6月9日の3,005円を下抜けてから、2,700円割れまで下げ、小休止となっています。
NY白金、ファンドの取組推移です。

NY白金は1,000ドルを超えてから、取組高を大きく増やしてきました。
ただ今年の1月頃は、取組高10万枚以上、ファンドの差引買残も7万枚近辺まで増えて、それでやっと1,000ドル超えでしたから、その時と比べて値段が軽い感じもします。
ファンドは、値段が上に行けば買ってくるし、下に行けば売ってくるトレンドフォローがメインなので、もし白金の値段が軽くなっているのであれば、上にも下にも大きく動きやすい状況かも知れません。
掲載内容は情報提供を目的としております。情報につきましては細心の注意を払っておりますが、正確さを保証するものではありません。また、取引における判断はお客様ご自身で行って下さい。