取組高から考える相場(金) 金価格、突然の急落、背景には何が?
まずは金の価格と、NY金ETF残の推移から見てみましょう。

国内金は4日の大発会に急騰からスタートし、7日木曜日には6,488円まで上昇しました。
しかし、そこが先週の高値。その後は緩み、8日の夜間取引には6,134円まで急落する場面がありました。
NY金のETF残高も1月4日には、17.22トンも残高を増やし、年明け早々上昇に弾みをつけたのですが、その後は買いが続かず、尻すぼみとなりました。
大阪金の日足チャートです。

国内金の日足チャートは1月4日に上昇トレンドへと転換すべく力強い上昇を見せたのですが、7日に6,488円が戻りいっぱいとなり、8日の夜間取引(計算区域は12日)には、6,134円まで突っ込む場面がありました。
上昇トレンドは一回、崩れた形です。
続いてNY金の日足チャートです。

NY金は11月9日の高値1,966.1ドルを抜けずに急落となりました。
為替がドル高に振れたことで、金の売りを誘発した格好です。
ここ最近、金価格が上昇していたのはドル安による部分が大きく、ドル高に振れてしまえば資金が逃げやすい状況にもありました。
ユーロドルの日足チャートです。

ユーロドルの日足チャートは、ドル安トレンドが続いていましたが、トレンドラインを割り込み、それに合わせ金(ゴールド)も急落となっています。
ユーロドルの割に、金価格は随分下がっているように感じますが、ここ最近、米国10年債利率の上昇が目立ち始め、金(ゴールド)にとってはあまり良い状況ではありません。
NY金/ユーロドルのグラフも見てみましょう。

国内金やNY金の日足チャートはトレンドラインを上方向へ突き進んだように見えた形になりましたが、NY金とユーロドルの関係から見ると、戻りいっぱいで金(ゴールド)が売られたに過ぎませんでした。
NY金のETF残高も増え、米国10年債の利率が下がれば、金(ゴールド)自体に人気が付き、ユーロドルに対して金(ゴールド)が買われていく可能性もありました。
しかし、NY金のETF買いも1月4日の一発だけでしたし、米国10年債の利率は上昇傾向を続けているので、金価格上昇の頼みの綱であったドル安も、ちょっとドル高へ向かえば、金(ゴールド)の資金も逃げやすい状況にあったようです。
米国10年債利率の推移も見てみましょう。

米国10年債利率は上昇傾向が続いていますねえ、金価格が本格上昇する為には、債券の利率が低下傾向になる必要がありそうです。
NY金、ファンドの取組推移です。

NY金は1月5日時点で1,954.4ドルまで戻っていたこともあり、ファンドのトレンドフォロー買いが、まとまって入りました。
しかしこれを書いている1月12日午前の時点では1,850ドルを割り込んでいるので、ファンドの投げが出ているものと思われます。
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