取組高から考える相場(金) 国内金価格は5,900円を下抜けず、持ちこたえた格好。
まずは金の価格と、NY金ETF残の推移から見てみましょう。

国内金はここにきて下げ始め、2月26日(金)の夜間取引では5,904円の安値を付けました。しかし去年の11月30日の安値5,900円は抜けずに堪えています。
NY金ETF残高は減少が止まりません。
米国10年債の利率は2月25日には1.5%を超え、株式や商品市場に動揺が走りました。
大阪金の日足チャートです。

国内金の日足チャートは、11月30日の安値5,900円を割り込まず、何とか堪えています。
テクニカル的には1回止まってもという場所ですが、外部環境(NY金ETF残高、米国10年債、ドルの価値)が良くないので、戻っても売りが出やすい状況です。
続いてNY金の日足チャートです。

NY金の日足チャートは、ポイントを下に抜けてしまったところですねえ、チャートの形は悪くなっています。
NY金の週足チャートも見てみましょう。

NY金の週足チャートはダウントレンド継続中で、2020年に揉み合った1,700ドル近辺が下値支持として機能するか?の形になっています。
ユーロドルの日足チャートです。

ドル安に動いていた間は、金価格も戻り歩調でしたが、ドル高に振れると金価格も急落になってしまいました。
今は、NY金ETF残高は減少傾向、米国10年債の利率は上昇傾向で、ユーロドルのチャートに対し金価格は弱い値動きになっています。
NY金/ユーロドルグラフです。(算出にはNY金の終値とNY金取引終了時間のユーロドルの値を用いて計算しています。)

やはり、金(ゴールド)自体に逆風の外部環境となっているので、ユーロドルのチャートに対し金価格は弱くなっているのが分かります。
(ドル安で金価格は戻りを入れるが、ドル安分の割合で、金価格が戻れていない状況。)
NY金ETF残高推移のグラフです。

NY金ETF残高は減少傾向が続いています。ピーク時からは185トン減らしていますが、中々減少傾向が止まりません。まずは売却傾向が止まるまでは、買いづらい感じがします。
米国10年債利率推移のグラフです。

米国10年債の利率は上昇傾向で2月25日には1.530%まで上昇しました。
ここ最近は利率の上昇が強かったので、1.5%を超えてからは、株式市場に動揺が見られ、全体的に売られる日となりました。
NY金、ファンドの取組推移です。

NY金の取組高は減少が続き、2019年4月30日以来の取組高まで減ってしまいました。
金(ゴールド)の人気が離散しているのが分かります。
ここまで取組高を減らすと、金(ゴールド)は大分玉整理が進んでいる感じもします。
2月26日の夜には1,714.9ドルまで下落したのでさらに玉整理は進んだものと思われます。
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