豆知識編

世界の商品先物取引

日本の商品先物市場では法定の取引所が2つあり、上場されている銘柄数は30を超えます。一方、海外の商品先物市場では、日本と比べて上場銘柄の種類も豊富で、取引も活発に行なわれています。

世界の主要商品先物取引所

特に欧米では多種多彩な銘柄が上場されており、先物取引の先進国といわれています。欧米の先物市場では、1つの取引所に商品先物と金融・証券先物が一緒に上場されているのが一般的です。日本で上場されている銘柄の大半は、欧米の先物市場でも取引されており、欧米市場の値動きは日本市場に大きな影響を与えます。

弊社オンライントレード「Venus(ヴィーナス)」の取扱銘柄で、小豆を除いたほとんどの銘柄は国際的に取引されています。これらの銘柄の価格変動につきましては、為替と指標となる海外市場での値動きの影響を受けます。また逆に国内の先物市場での値動きが、世界の先物市場の指標となることもあります。

例えばゴムの場合、原産地であるタイの現地価格に連動する形となっておりますが、ゴムの先物市場としては、東京商品取引所が世界最大の出来高を誇っておりますので、日本市場での価格が逆に産地価格に影響を与えることもあるのです。

世界指標となる取引所 日本での上場銘柄
NYMEX <ニューヨーク・マーカンタイル取引所> 金、銀、白金、原油、ガソリン、灯油
東京商品取引所 ゴム、小豆
CBOT <シカゴ商品取引所> トウモロコシ、一般大豆

「世界」という観点で先物市場を眺めてみると、欧米のマーケットの取引時間が終わった数時間後には、日本のマーケットで取引が開始されます。そして日本のマーケットでの取引時間の間にシンガポールでの取引が開始され・・・というように世界のマーケットは眠らず、影響しあい、その時々の最新情報を織り込み、価格を形成していきます。

現物価格と先物価格

現物価格と先物価格は連動します。
理論上は納会を迎えた限月の先物価格とその時点の現物価格は一致します。

現物価格というのは、まさに現にある商品の価格です。
例えば、金地金1kgを地金商で購入するとします。購入者は金地金を受け取る代わりに、現金を支払います。支払う現金は、その時の金価格に依存します。この時の金価格が現物価格です。つまり、現物の市場(売買契約と同時または数日後に現物を受け渡す取引を行なう市場)で取引される価格が現物価格です。

一方、先物価格は、先物市場で取引される価格のことです。
商品先物市場では、限月ごとに取引されて価格が決まっていきます。先物価格は限月ごとに存在しています。現物価格は現物市場で取引される価格、先物価格は先物市場で取引される価格ですが、両者には密接な関係があります。決済期限が一番早く来る限月(当限と言います)の価格は、期限が近づくにつれ、現物価格に近づいていきます。現物価格の方も先物価格の値動きに影響されて変動していきます。そして納会日には、現物の受け渡しが行われますので、理論上、現物価格と先物価格は一致します(ここでいう先物価格は納会を迎えた限月の価格です)。

現物価格と先物価格

このような関係があるからこそ、先物市場は現物市場のリスクヘッジの場として利用することが出来るのです。

ヘッジについて簡単に例を挙げます。
あるメーカーがゴム製品の売れ行きがよくなると見て、ゴムの在庫を積んで置いたとします。ところが、売れ行きは思わしくなく、大量の在庫を抱えました。ゴム製品の売れ行き不振から、ゴム相場も下がり始めると、在庫の評価損が大きくなります。このような場合には、あらかじめ先物市場でゴム「売って」おくことにより、損失を回避できます。

先物市場で「売る」ということは、価格が下がれば利益が出るということです。現物価格と先物価格は連動していますので、現物価格が下がれば、先物価格も下がります。現物価格の下落により在庫の評価損は出ますが、先物価格の下落により先物市場では利益が出ます。つまり損益が相殺されるわけです。

このように現物価格と先物価格が連動しているからこそ、リスクヘッジが可能なのです。

商品先物取引のルーツ

日本の商品先物取引のルーツは?

→日本の商品取引所のルーツは江戸時代にさかのぼります。

江戸時代初期、大名たちは農民から取り立てたコメを商業の中心であった大阪に運び込み蔵屋敷に蓄え、これを商人に売って藩の運営費用に充てていました。

蔵屋敷の管理者は、その藩の武士が行っていましたが、そのうち商人たちに任されるようになりました。商人による蔵元は掛け屋と呼ばれ、掛け屋はコメ代金の前払いの形で大名にカネを貸すようになり、徐々に力を強めていきました。その最大のものが淀屋です。

商品先物取引のルーツ

コメ商人たちが、コメを仕入れる際、手付金として蔵元に総代金の三分の一を支払うと、蔵元は一種の証券(蔵前手形)を発行しました。淀屋の店先にはコメ商人たちが集まり、蔵前手形を取引するようになり、「淀屋のコメ市」が自然発生し、しだいに差金のやりとりを目的に蔵前手形の売買が行なわれるようになりました。

ところが幕府はコメ相場を不安定にするという理由で、蔵前手形の売買を禁止し、淀屋はつぶされました。

それでもコメ商人たちは堂島に移りコメ市を続け、1730年大岡越前によって、ついにコメの転売買が公認されました。この堂島の帳合米制度(帳面上だけで決済する先物)は現在の商品取引所の骨格部門をほぼ網羅していました。

これが商品先物市場のルーツとなっています。

トレーダーと商品先物取引業者の関係

トレーダーと商品先物取引業者の関係

商品取引所は会員制になっています。会員は、一般会員と商品先物取引業者に別れています。一般会員は、自分の会社のための自己ディーリングしかできませんが、商品先物取引業者は、自己ディーリングの他に、不特定多数の人から取引を受託することができます。一般に「商品先物取引会社」と呼ばれるのは、この「商品先物取引業者」ということになります。一般のトレーダーの方々が商品先物取引の売買を行ないたい場合には、商品先物取引業者に委託する形をとります。その場合、商品先物取引業者に口座を開設する必要があります。

弊社オンライントレード「Venus(ヴィーナス)」で口座を開設する際の手続き方法につきましては、「申込方法」をご参照ください。口座開設の手続きが完了すれば、取引を行なうために必要な証拠金を商品先物取引業者に預け入れることになります。そして商品先物取引業者は、この資金を商品取引所が共同で設立した清算業務を行なう日本商品清算機構に預託します(日本商品清算機構が管理する直接預託制度)。

トレーダーが新規注文を出した場合、商品先物取引業者はその注文を商品取引所に流します。商品取引所はその注文を受け、売買が成立すると、成立結果を商品先物取引業者に知らせます。商品先物取引業者は、成立結果をトレーダーに報告します。後日、売買報告書がトレーダーの元に送付されます。

決済注文についても同様の流れです。決済の場合は、日本商品清算機構により差損益の精算を行ない、委託手数料を商品先物取引業者が徴収し、その差額がトレーダーに返還されます。つまり、預けてある証拠金と売買結果である損益額を合算し、そこから手数料と手数料にかかる消費税分を差し引いた額がトレーダーに返還されます。

商品先物取引に関する税金

税制の概要

[税制]
申告分離課税方式
[税率]
国税(所得税)15%+地方税(個人住民税)5%=計20%
※復興特別税として2013年から2037年まで、税額に2.1%を上乗せ
[繰越控除]
翌年以降3年間の商品先物取引による所得から控除可能

税制のポイント

対象者 個人(=所得税法の規定する「居住者」及び「国内に恒久的施設を有する非居住者」)
納税方法 毎年規定の期間までに確定申告により納税

【参考】日本商品先物振興協会 「確定申告のしかた」(外部リンク)
計算期間 差金決済を行なったことにより生じた損益を年間(暦年=1月1日から12月31日)で通算します。
※その年の12月31日以前の建玉につきましても、翌年1月1日以降の決済であれば、その損益分も今回の計算対象となります。
なお、値洗い損益(=計算上の損益)は課税対象とはなりません。
計算方法 商品先物取引を差金決済したことにより生じた売買差損益金から、委託手数料及び手数料に係る消費税などその取引に直接要した費用の額を控除した損益金額を、年間(暦年=1月1日から12月31日)で通算して利益が生じた場合には、その利益が課税対象所得となります。なお少額の利益に対する非課税措置はありません。

【参考】日本商品先物振興協会 「デリバティブ取引の所得の計算」(外部リンク)
損益通算 国内の商品先物取引における所得(複数社に渡って取引を行なわれている場合はそれらを通算した所得)、及び国内の証券取引所における有価証券先物取引等による所得を損益通算します。 その他詳細につきましては、下記URL(日本商品先物振興協会)にてご確認ください。

→【参考】日本商品先物振興協会 「商品先物取引と税金 Q&A」(PDF)
「互いに損益通算することができるデリバティブ取引について」(外部リンク)
「複数の商品先物取引業者で行った取引は通算して所得を算定します」(外部リンク)
繰越控除 商品先物取引の差金決済を行なったことにより損失(年間の損益を通算)となった時はその損失の金額を翌年から3年間にわたり商品先物取引による所得の金額から控除することができます。
繰越控除の適用を受けるには、損失が生じた年分の所得税について、当該損失の金額に関する明細書等一定の書類が添付された確定申告書を提出し、かつ、その後の繰越期間中連続して確定申告書を提出することが必要ですのでご注意ください。

【参考】日本商品先物振興協会 「損失は3年間の繰越控除が可能」(外部リンク)

※「書籍代」「通信費」等の経費が控除可能かどうかにつきましては、その使用状況や所轄の税務署により判断が異なる場合がありますのでお近くの税務署等にてご確認ください。

なお、上記、商品先物取引の税制のポイントにつきましては、下記コンテンツでも合わせてご確認頂ければ幸いです。

→日本商品先物振興協会「商品先物取引に関する税金/商品デリバティブ取引に関する税金」
→国税庁 「確定申告に関する手引き等/先物取引に係る雑所得等の説明書」(PDF)
「国税局・税務署の所在地及び管轄区域」