新年度(新元号)入り相場、過度な景気悲観論後退か

    • 更新日:19/04/01
新年度(新元号)入り相場、過度な景気悲観論後退か

今週の日経平均株価、ドル・円想定レンジ:
 ・日経平均株価 21100円 – 22050円
 ・ドル・円 109円80銭 – 112円20銭

今週のポイント:
 ・米中貿易摩擦協議4月3-4日ワシントン開催の進展動向
 ・米国の2月小売売上高、3月雇用統計に注目
 ・高まる英国の合意なき離脱
 ・新年度入(新元号)入りの株式市場


先週28-29日の米中閣僚級通商協議では、米政府当局者が、中国との通商協議は早期合意の可能性は高くない、知的財産権問題で行き詰まっている、と述べ、中国側も米国の要求に抵抗しており協議は難航している、と報じられた。今週も4月3日からワシントンで米中通商協議が開催される。米国側は、ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表とムニューシン米財務長官、中国側は劉副首相が協議に臨む。クドロー国家経済会議(NEC)委員長が、「数週間あるいは数カ月間にもわたって中国と交渉を続ける用意がある」と述べていることで予断を許さない状況が続くことになる。長期化する要因として、中国側が米知的財産の取り扱い改善、米企業に対する市場アクセス開放、通商合意の履行メカニズムに関して難色を示していることが挙げられている。溝は埋まるのか。米中両政府が通商問題を話し合う直接協議が、先週、北京で再開した。知的財産権の侵害問題を含む構造改革や、中国に合意内容を守らせる仕組みなど、難航する議題について、妥協点を探る。こうした中、アメリカのクドロー・国家経済会議委員長は、「中国製品に対する一部の関税を撤回する可能性がある」と述べ、協議が進展していることを伺わせた。アメリカが問題視していた企業の知的財産が強制的に中国に移転させられる件について、ロイター通信は複数のアメリカ政府関係者の話として中国が譲歩案を示したと伝えている。また、中国によるサイバー攻撃やサービス分野への参入の障壁などでも中国が譲歩する姿勢を示しているという。ただ、アメリカの不信感は強く、中国に確実に実行させる方法などで合意できるまで話し合いを続ける考え。また、中国が求めている制裁関税の完全撤廃にも応じない姿勢。両国は、今週、アメリカ・ワシントンに場所を移して協議を続ける予定で、最終合意に合わせた首脳会談の実現に道筋をつけられるかが焦点。株式市場は、合意前提の楽観論を大方の参加者が、推測しているが、逆の発言には注意が必要になる。米中両政府は29日、前日に引き続き閣僚級の通商協議を北京で行った。参加したムニューシン米財務長官は29日、ツィッターに「北京での建設的な協議を終えた。来週、ワシントンで協議を継続する」と投稿した。ワシントン会合は来月3日から開く。米政府高官によると、通商協議で米国側は知的財産権保護や市場開放に加え、中国が合意事項を守っているか確認するため定期会合を開くよう要求。合意違反があった場合は中国に追加関税を課す一方、中国側には報復措置をとらないよう求めている。中国側は難色を示している模様だ。協議は、長期戦の可能性が徐々に高くなってきている。


今週金曜日の3月米国雇用統計では、失業率は3.8%(2月3.8%)、非農業部門雇用者数は前月比+17.5万人(最小+8.5万人、最大+23.3万人)と見込まれている。注目ポイントは、2月の前月比2万人が悪天候によるものだったか否かとなる。前例としては、2016年5月は、通信会社のストライキの影響で前月比+1.5万人だったが、6月が+28.2万人となり、2017年9月はハリケーンの影響で前月比+1.8万人だったが、10月は+26.0万人に改善していた。予想外の結果は、3月の雇用者数が最小以下になった場合、3月のFOMCでの年内利上げ見送りを裏付けることになり米株式市場の下落要因となるであろう。景気後退に陥る可能性が警戒されていることで、米2月小売売上高、ISM製造業・非製造業指数の結果にも要警戒となる。


欧州委員会は、英議会が、EU離脱協定案の主要部分をめぐる29日に3回目の採決を行い、反対多数で否決した結果を受け、4月12日に合意なき離脱に突入する公算が大きくなったとの認識を示した。複数の英メディアは、メイ首相が、政府のEU離脱案が議会で三たび否決されたことを受けて「離脱案の審議をめぐる下院の手続きは限界に近づいている」と述べ、英国が袋小路に陥ったことを認めた、と報じている。そのうえで、首相がこう着状態を打開するため、前倒し総選挙に打って出る可能性を示唆したという。EUのトゥスク大統領は、自身のツイッターで、英議会下院で英国のEU離脱案が否決されたことを受け、「4月10日に臨時のEU首脳会議を招集することを決めた」と表明した。合意なき離脱の可能性は、高まった。


日本株は、新年度入り(新元号)の相場が始まる。31日に中国国家統計局が発表した3月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.5となり、3年ぶりの低水準だった前月の49.2から上昇し、業況改善・悪化の分かれ目となる50を上回った。米株高・円安に中国指標の改善も加わり、本日月曜日は、日本株は上昇して始まるだろう。また、新元号の公表でご祝儀的なムードが広がることも追い風になる。米国、日本とも景気減速気味の指標が散見されはじめてきており将来的に持続的な株式市場の上昇に疑問符が付き始めている。シナリオが描きにくいが過度の景気悲観論の後退相場となる可能性がある。日米とも減速気味であるが後退局面入りでは無いのが現状であろう。国内投資家は、全体のポートフォリオに対する株式のウエイトを引き下げる可能性が高い。ただし、現物株式の売買シェアは、国内約40%、海外投資家約60%、先物に関しては、国内約30%、海外約70%の状態。悲観論の後退は、海外投資家中心に買い戻しを誘発するため、戻れば戻るほど買戻す踏み上げ相場が現出される。金曜日まで米中貿易協議への期待感継続で比較的堅調な相場展開を想定する。中期的な相場の方向性は、景気減速の程度と深さ、企業業績に与える影響に移行するもと推察できる。現状は、景気にプラスの期待感がやや優勢な市場となっており景気減速に対する各経済指標が継続的に出てくるまでは、小幅な上下動を繰り返しながら戻り値をジリジリと更新する可能性が高い。


テクニカル   日経平均
21618.88円– 12月SQ値
21425.69円– 25日移動平均線
21385.98円– 一目均衡表基準線
21358.56円– 26週線
21348.40円– 3月SQ値
21312.42円– 一目均衡表転換線
21267.25円– 高値 21228.51円3月29日寄付
21227.15円– 100日移動平均線
21210.44円– ボリンジャーバンド25日-1σ
21205.81円– 3月29日日経平均引け値
サポート
21204.76円– 5日移動平均線
21149.42円– 安値3月29日
21077.61円– 週足一目均衡表の転換線
20995.19円– ボリンジャーバンド25日-2σ
20978.68円– 75日移動平均線
20934.33円– 一目均衡表先行スパン1
20901.63円– 13週線
20823.69円– 一目均衡表先行スパン2
20779.93円– ボリンジャーバンド25日-3σ
20559.81円– ボリンジャーバンド26週-1σ
20481.02円– 2月SQ値


今週の経済指標:
   1日:3月調査日銀短観(8:50)
     3月自動車販売台数
     日本政府新元号発表(11:30)
     ユーロ圏2月失業率(18:00)
     米2月小売売上高(21:30)
     米3月ISM製造業景況指数(23:00)
     米2月建設支出(23:00)
     米1月企業在庫(23:00)
   2日:豪州準備銀行理事会
     米2月耐久財受注(21:30)
   3日:米3月ADP雇用統計(21:15)
     米3月ISM非製造業景況指数(23:00)
   4日:インド準備銀行金融政策決定会合
   5日:2月家計調査(8:30)
     2月毎月勤労統計調査(9:00)
     2月景気動向指数(14:00)
     米3月雇用統計(21:30)
     米2月消費者信用残高(6日4:00)

     休場:中国、香港


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