日米経済指標悪化とFRB金融緩和期待との綱引き

  • 更新日:19/06/17
今週の日経平均株価、ドル・円想定レンジ:

 ・日経平均株価 20500円 – 21450円
 ・ドル・円 106円80銭 – 109円50銭

今週のポイント:

 ・G20での米中首脳会談に対する思惑 
 ・FRBの金融緩和期待18-19日FOMC後のパウエル議長会見に注目
     (日本時間20日午前3時に声明発表) 
 ・関税戦争メキシコの次はインドも 

ニュース:

今週の株式市場は、18-19日に開催されるFOMCで利下げに関するFRBの方針が明確になるかがポイントであろう。市場は、米金融当局が今年複数回利下げに踏み切るとの予想を強める結果となっている。米国市場では、FRBが7月に金融緩和実施観測88%にまで強まっている。米中首脳会談のG20での日程がいまだ未定が、波乱要因となる。今週中に開催日が決まらない場合は、株式市場の下落要因となろう。日経平均株価は、米国市場の金融緩和期待で下支えされるも下落リスクも継続されている中狭いレンジの上下動が想定される。FRBの金融緩和期待、米中首脳会談開催日程、軽微と思われるがインドと米国の貿易をめぐるきしみが新たに出てきてたが現状影響は、限定的。米中貿易戦争で上値は、買いにくいが、米国金融緩和継続期待で下値も底堅い展開。下落は、一時的と思われる。


米金融当局者は、経済は堅調との認識を示しているが、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は4日、必要なら利下げの可能性を閉ざさない姿勢を示唆した。米景気拡大は7月に過去最長記録を更新する勢いだが、今回の雇用統計を受け、経済成長を支えるために利下げが必要だとの主張が勢いを増している。市場は、今年2回から3回の利下げの可能性を織り込み始めている。今週18-19日のFOMCではおおむね利下げ決定は見込まれていないものの、早ければ7月にも利下げする可能性が高いとみられている。米CMEグループのFEDウオッチによると、金利先物が織り込む今週の利下げ確率は29%、7月(30-31日のFOMC)の利下げ確率は88%となっている。19日(日本時間午前3時)発表のパウエル議長の会見が非常に注目される。市場は、利下げに対する明確な方針を期待している節がある。


月末に米中首脳会談が行われるかどうかにも関心が集まっている。トランプ米大統領は通商問題について協議するため、G20に合わせて中国の習近平国家主席と会談する用意があると述べているが、会談の日程はまだ確定されていない。実施されるのであれば、少なくとも今週中にもスケジュールが明らかになる公算が大きい。開催日未定が今週末まで継続すると懸念が高まり株式市場の一時的な下落要因となりえる。


インド財務省は15日、一部の米国製品に対し16日から追加の輸入関税を課すとの声明を発表した。対象はリンゴ、アーモンド、豆類や一部の化学製品で、リンゴの場合は70%の税率となる。インド政府は1年前、米国政府による鉄鋼やアルミニウムの輸入製品に対する追加関税への対抗措置として新たな輸入関税を発表。ただ、米国との貿易交渉が続く間、実施を再三遅らせていた。インド政府は、今回発表した追加関税の対象品目の輸入額は明かさなかった。ただ、世界貿易機関には以前、約2億4100万米ドル(約263億円)相当と報告していた。両国間の貿易総額は年間で約1420億ドル相当。米政府の統計によると、物品の2国間貿易ではインドが小幅の黒字を計上し、昨年の対米輸出額は約540億ドルで、輸入額は約330億ドルだった。ただ、米国の貿易赤字削減に躍起のトランプ大統領が今月初旬、インドを一般特恵関税制度(GSP)の適用の対象国から外すとの大統領布告を出すなどして両国関係がきしんでいた。トランプ氏はこれまで、オートバイやウイスキーなどの米国製品にインドが課す輸入関税を再三批判してもいた。メキシコに続きインドもか。経済的に影響は、極めて軽微であるが、中国封じ込め政策の安全保障上の影響が懸念される。


要点整理:

1:18-19日FOMC後のパウエル議長の発言内容 
2:G20での米中首脳会談開催日決定の可否 
3:米国経済は、減速傾向の経済指標に対する市場の評価 

FRBの緩和観測の米国株式に与える影響は、絶大であり実体経済の減速を覆い隠す効果と緩和による景気浮揚効果を見出す可能性が高い。米中首脳会談開催関係で一時的に下押しする可能性もあるが、断続的な利下げができる経済・金融政策状況の中では、一時的で短期間な下落で終わるであろう。上値は、重いが下値切り下げの相場展開となろう。


今週の主な経済指標:

17日:5月首都圏新規マンション発売(13:00) 
          米 6月 NY 連銀製造業景気指数(21:30) 
          米 6月 NAHB 住宅市場指数(23:00) 
          米 4月対米証券投資(18日 5:00) 
          米政府は対中関税についての公聴会を開催する見通し 
18日:独 6月 ZEW 景況感指数(18:00) 
          FOMC(~19日) 
          米 5月住宅着工件数(21:30) 
          米 5月建設許可件数(21:30) 
19日:日銀金融政策決定会合(~20日) 
          5月貿易統計(8:50) 
          5月訪日外客数 
          パウエル FRB 議長会見(経済見通し発表) 
20日:黒田日銀総裁会見 
          4月全産業活動指数(14:30) 
          5月コンビニエンスストア売上高(16:00) 
          NZ1-3月期 GDP(7:45) 
          英国金融政策発表 
          EU 首脳会議(~21日) 
          米 1-3月期経常収支(21:30) 
          米 6月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数(21:30) 
          米 5月 CB 景気先行総合指数(23:00) 
21日:5月消費者物価指数(8:30) 
          米 5月中古住宅販売件数(23:00) 

日経平均 テクニカル&サポート:

21915.59円– ボリンジャー:+1σ(13週) 
21781.46円– ボリンジャー:+3σ(25日) 
21718.84円– 均衡表雲上限(日足) 
21711.99円– ボリンジャー:+1σ(26週) 
21696.88円– 200日移動平均線 
21637.25円– 均衡表雲下限(日足) 
21530.94円– ボリンジャー:+2σ(25日) 
21445.66円– 75日移動平均線 
21441.26円– 13週移動平均線 
21326.28円– 均衡表転換線(週足) 
21280.42円– ボリンジャー:+1σ(25日) 
21123.46円– 5日移動平均線 

21116.89円– 6月14日日経平均株価引け値

21066.52円– 26週移動平均線 
21029.90円– 25日移動平均線 
20966.93円– ボリンジャー:-1σ(13週) 
20936.87円– 均衡表基準線(日足) 
20779.38円– ボリンジャー:-1σ(25日) 
20774.67円– 均衡表転換線(日足) 
20655.75円– 均衡表基準線(週足) 
20528.85円– ボリンジャー:-2σ(25日) 
20492.59円– ボリンジャー:-2σ(13週) 
20421.04円– ボリンジャー:-1σ(26週) 
20408.54円– 新値三本足陰転値 


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