今後の追加関税措置の影響とFRB追加緩和観測

  • 更新日:19/08/02
今週の日経平均株価、ドル・円想定レンジ:

・日経平均株価 20200円 – 21250円
・ドル・円 105円20銭 – 108円00銭

来週の株式相場は、追加関税措置の影響と急速に台頭したFRB追加金融緩和観測、それに伴う為替の円高、国内企業決算の本格化が、変動要因として考えられる。


今週のポイント:

米中貿易戦争激化へ

トランプ米大統領は1日、中国からの輸入品ほぼすべてに制裁関税を拡大する第4弾を発動するとツイッターで明らかにした。米中貿易協議の進展が不十分として、「9月1日から残りの3000億ドル(約32兆円)相当に10%の追加関税を課す」と表明。習近平国家主席の対応を批判し、税率を25%超まで段階的に引き上げると発表した。


トランプ大統領は、米中貿易協議が決着するまで関税をかけ続ける考えも示し、摩擦の長期化は避けられない情勢。第4弾ではスマートフォンやテレビなど多くの生活必需品が標的となり、米国の消費者にも影響が及びそうだ。9月1日から実施された場合は、(船便で約3ヶ月)12月頃から影響が出始める。関税率を25%ではなく10%としたのは、貿易協議の交渉圧力として段階的に交渉圧力として利用可能なことやクリスマス商戦に対する影響を最小限に留めること、国内からの批判を最小化する為と見られる。また、元安や中国生産業者との値引き交渉などで米国内での価格転嫁をある程度和らげる範囲内での関税引上げと考えられる。


米国内の影響は、米国産大豆を中心に中国向け輸出・米国向け輸入も減少傾向でGDPの下押し要因となっているが、この傾向が今回の第4弾の関税実施でより顕著に影響が出てくることになろう。消費者物価への影響は、コア総合で2%程度と安定推移しているが、関税第3弾の影響が、8月頃から出てくることが想定されており今後の上昇圧力の顕在化にはに注意が必要と思われる。


日本企業への影響は、対中国にたして生産財・設備関係を中心した輸出企業の業績下方修正が顕著に決算で出てきている。第4弾の関税引上げは、この傾向を更に悪化させる要因となることから株価の下方圧力としてしばらくの期間重石となり業績の足を大きく引っ張る要因となるであろう。


今週の大手日本企業の決算注目銘柄

5日ソフトバンク、三菱重工、SUBARU,スズキ、大成建設、6日鹿島、NTT、ニコン、三菱地所、横河電気、ダイキン工業、7日ソフトバンクG、IHI,大日本印刷、8日帝石、大和ハウス、テルモ、大塚HD、楽天、富士フイルム、資生堂、住友不動産、東急、9日簡保、郵貯、東京海上、第一生命、ブリジストン、凸版印刷、セイコーHD、等。全般的に業績の下方修正企業が増加している。特に製造業での業績下方修正が顕著。


FRBの金融政策・為替動向-ドル・円

パウエルFRB議長は、0.25%の予防的利下げを「景気下振れリスクに対する保険」として、長期緩和サイクルの開始を否定していた。しかし、トランプ米政権の対中制裁関税第4弾を受けて米国の景気減速への「不確実性」が増大することで、グリーンスパン第13代FRB議長の下で1995年と1998年に実施された「予防的利下げ」のように、最低3回の利下げ(0.25%で3回=▲0.75%)の可能性が高まっている。特に景気指標で重要なのは、雇用統計で追加利下げ観測の強弱を左右するであろう。円高圧力は、米国の金融緩和観測が継続するかぎり継続されると考えている。


目先は、9月のFOMCでの金融緩和の可能性。米国の各種の景気指標次第であるが、トランプ大統領の政治的圧力と不確実性の増大が発生した状況を勘案すると9月金融緩和は、高い確率で行われると思われる。


今週の主な経済指標:

  5日: 米 7月 ISM 非製造業景況指数(23:00) 
  6日: 6月家計調査(8:30) 
          6月毎月勤労統計調査(8:30) 
          6月景気動向指数(14:00) 
          豪州準備銀行理事会 
  7日: 7月 29・30日開催の日銀金融政策決定会合の「主な意見」(7/29-30日分) 
  8日: 月国際収支(8:50) 
          7月都心オフィス空室率(11:00) 
          7月景気ウォッチャー調査 
          中国 7月貿易収支 
  9日: 7月マネーストック(8:50) 
          4-6月期 GDP(8:50) 
          中国 7月消費者物価 
          中国 7月生産者物価 
          英 4-6月期 GDP(17:30) 
          米 7月生産者物価(21:30) 


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