本格化し始めた米中経済戦争為替が主戦場-不確実性の増大から金相場は高値更新継続へ

  • 更新日:19/08/13
今週の日経平均株価、ドル・円想定レンジ:

・日経平均株価 19500円 – 20850円
・ドル・円 103円40銭 – 106円30銭

今週の株式相場は、3連休明けでお盆の週でもあり参加者減少の中、株式先物取引中心のボラティリティの高い相場展開が想定される。


今週のポイント:

為替の円高継続へ

米国が、突然中国を為替操作国に認定して中国人民元相場が注目される中、香港での抵抗運動、アルゼンチンやイタリアの政局不安、イラン問題など為替市場で不安定要因が浮上、そこに注目が集まり、安全通貨の円、スイスフランに逃避資金が移動し始めている。この流れは、始まったばかりで初期段階とみられる。


元の対ドル相場は、1ドル=7元を超え元安基調が継続した場合には、プラザ合意時のドル安誘導への水準訂正の可能性も出てくる。リスクシナリオとして為替市場で浮上し始めている。その場合は、ドル・円相場で100円割れの急激な円高シナリオが現実的な問題となる。


金融政策面でも世界の中央銀行が、緩和政策を積極的に実施し始めた。この流れは、当面継続され、かつ強化され易い環境にある。円は、緩和政策でも他国に比べ限界に近い緩和政策をすでに実施しているため他通貨に比較してより円高になり易い通貨の位置にある。


米中貿易戦争-貿易戦争→IT覇権制裁→金融制裁へ

第一ステージは、米中双方が、関税を掛け合う貿易戦争で2018年7月6日から始まった。第二ステージは、米国が国防権限法を制定し、ファーウエイなど中国先端企業の米国からの排除。現在は、8月5日米国が中国を為替操作国に指定し、金融制裁に移行した第三ステージと見ている。


米中両国とも覇権争いをエスカレートさせている。合意なき覇権戦争は、結果がでるまで長期間つづく。米国の制裁関税第四弾は、来月1にほぼ確実に実施される(中国は、妥協しない)であろう。当然、米国経済にマイナスの影響を与える。景気減速傾向から景気後退への確率が高まっている。


FRBは、金融政策面で不確定要因の増大を軽減する為、9月FOMCで0.25%-0.50%の利下げを実施、更に12月にも金融緩和実施の可能性も低くはないと推察している。トランプ大統領が、9日ツイッターで1%以上の大幅利下げをFRBに要求したが、不確定要因の増大と景気動向を勘案すると結果的に大幅な金融緩和は、不可避となるであろう。FRBの日銀化かは、必然と思われる。


日米株価は、下落へ

日米株価は、景気減速から後退への可能性を織り込む運用環境へ移行し始めていると考えている。調整局面から下落相場への移行時期。


金価格の今後

世界的な金融緩和基調の継続と過剰流動性の増大は、今後加速度的に各国の中央銀行が、推し進める緩和政策で現状より強化される。機関投資家が資金の運用を考えると債券での運用に限界が出てきている(日本、EUの債券市場)中、米国の金融緩和基調が明確となり、米国10年国債が1.60%台に低下している。更に低下する可能性もある。世界の株式市場での今後のリターンは、今までのリターンを獲得することは難しい環境であろう。


無利息商品としての金と希少金属としての価値の双方を持ち合わせる金は、不確実要因の増大と金利低下要因から機関投資家の運用資金の一部が移行しやすい環境にある。具体的には、金ファンド投資(投資信託)をポートフォリオに組み込む運用商品のリスク分散とリターンの獲得を目的とする性格の資金である。今後の金価格は、比較的長期間上昇トレンドを継続する可能性が高いと思われる。


今週の主な経済指標:

13日: 7月国内企業物価指数(8:50) 
          6月第三次産業活動指数(13:30) 
          独 8月 ZEW 景況感指数(18:00) 
          米 7月消費者物価(21:30) 
14日: 6月機械受注(8:50) 
          中国 7月都市部固定資産投(11:00) 
          中国 7月工業生産(11:00) 
          中国 7月小売売上高(11:00) 
          ユーロ圏 4-6月期 GDP(18:00) 
          独 4-6月期 GDP(15:00) 
          米 7月輸出入物価(21:30) 
15日: 米 8月 NY 連銀製造業景気指数(21:30) 
          米 8月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数(21:30) 
          米 7月小売売上高(21:30) 
          米 7月鉱工業生産・設備稼働率(22:15) 
          米 8月 NAHB 住宅市場指数(23:00) 
          米 6月企業在庫(23:00) 
          米 6月対米証券投資(16日 5:00) 
16日: 米 7月住宅着工件数(21:30) 
          米 7月建設許可件数(21:30) 


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