金価格は、高値更新継続、水準訂正へ-株式は、下落へ

  • 更新日:19/08/26
今週の日経平均株価、ドル・円想定レンジ:

・日経平均株価 19500円 – 20450円
・ドル・円 103円60銭 – 105円80銭

先週金曜日NY市場では、中国の対米国輸入関税の引上げを発表、その対抗措置としてトランプ大統領が、即座に対抗策を出すなど金融緩和姿勢を打ち出したFRB議長の講演が、吹っ飛んでしまった金曜日だった。


今週のポイント:

米中貿易戦争→対立激化 関税の応酬へ

中国が米国製品に対する追加報復関税を発表したことを受け、トランプ米大統領は23日、対中関税の新たな引き上げを発表した。さらに米企業に対し中国からの事業撤退も要求した。通商問題を巡る米中の対立は深まる一方となっている。


中国商務省は23日、米国から輸入する750億ドル相当の製品に対し5-10%の追加関税を課すと発表。米国が9月1日から発動を予定する対中制裁関税「第4弾」に対する報復措置とみられる。一部製品に対する追加関税は9月1日、残りは12月15日に発動する。対象となるのは、米国から輸入する大豆や牛肉、豚肉を含む農産物や小型航空機など計5078品目。自動車・部品に対する関税も復活する。


これに対し、トランプ大統領は、これまでに課している2500億ドル相当の中国製品に対する関税を現在の25%から30%に引き上げると表明。10月1日から適用する。さらに中国製品3000億ドルに課す追加関税第4弾の税率も10%から15%に引き上げるとした。第4弾の発動時期は一部品目が9月1日からだが、全体の半分近くの品目は9月1日から12月15日に延期されている。


23日FRB議長講演内容-金融緩和姿勢明確化へ

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は23日、中央銀行首脳が集う国際経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)で講演した。足元の経済情勢や今後の政策運営に関する箇所の発言要旨は以下の通り。


7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)以降の3週間、中国への追加関税の表明を起点に多くの出来事があった。世界経済、特にドイツと中国の減速を示す情報もあった。英国の欧州連合(EU)離脱問題、香港の騒動、イタリア首相の辞意など、地政学的なニュースも多くあった。こうした複雑で混乱した情勢に金融市場は大きく反応した。株式市場は不安定だ。世界の長期金利は金融危機後、最低の水準近くまで急激に低下した。


米経済は個人消費にけん引されるかたちで、全体として引き続き好調だ。雇用の増加は昨年と比べ減速しているが、引き続き労働力人口の増加を上回っている。物価上昇率は2%に近づいているように思える。


こうした情勢評価に基づき、強い雇用と2%近くの物価上昇のもとでの米景気の拡大を支えるため、わたしたちは適切に行動していく。


貿易政策の不確実性に対応することは新たな課題だ。貿易政策の遂行は議会や行政の仕事であり、米連邦準備理事会(FRB)の仕事ではない。わたしたちの使命は定められた目標へ向け、金融政策を活用することだ。雇用や物価に影響を与えるあらゆることが適切な金融政策の運営にも影響を与える。それには貿易政策を巡る不確実性も含まれる。


だが、現在の状況に適切に対応する先例はない。さらに金融政策は個人消費や設備投資を支えるのに強力であっても、国際貿易への確立した規則書とはならない。しかし、私たちは貿易情勢が米経済の見通しに与える影響を注視し、目標達成に向け政策を調整していく。


結論は、貿易戦争にFRBは、適切に金融緩和を実施する。経済の不確実性が高まっている現状では、更なる金融緩和を行うと思われる。9月17-18日のFOMCでは、0.50%以上の利下げが必要と見られる。経済の下方不確実性の大幅増大が要因。今後は、米国10年国債の水準に注目。


G7日米首脳会談-日米通商交渉原則合意

安倍首相とトランプ米大統領は25日、主要7カ国首脳会議(G7)のため訪問中のフランス南西部ビアリッツで2回にわたり会談し、日米貿易交渉について大枠で合意した。両首脳は、9月後半の国連総会中に首相が訪米し、協定書に署名するとの見通しを示した。


日米両政府は、個別品目の詳しい合意内容を明らかにしていないが、日本側が米国産農産物の市場拡大を受け入れ、米側は自動車部品を含む幅広い工業製品で一定の関税を削減する。農業分野では、米側が重視する牛肉や豚肉の関税を日本側が環太平洋経済連携協定(TPP)の水準まで下げる。このうち、牛肉は関税をTPP参加国と同じにただちに引き下げ、輸入急増の場合の歯止め措置を設定する方向。また。余剰になっている米国産トウモロコシを購入することで合意した模様。


株、為替

上述の米中関税合戦で景気に対する下方要因が急激に高まる環境下で、世界経済に対する不確実性は増大する一方であろう。安全通貨としての円は、確実に他通貨に対して買われる位置にあり、急速な円高になる為替環境にある。日本株式に対して為替要因は、マイナス、米中関税合戦も日本企業に大きなマイナス要因として現出してきた中、2万円割れの19000円台で落着き場所を探る展開となろう。


今週の金価格

高値更新している金価格は、米国金利要因、景気に対する不確実性の高まりから高値更新の相場が継続する環境が整っている。米中貿易戦争の長期化→FRBの金融政策の長期化と米国金利の低下→世界経済の下方リスク増大→ホルムズ海峡、香港情勢等政情不安のリスク増大が、複合支援要因となり金価格の水準訂正の動きを加速させている。単純に言えば「リスク回避の金需要の増大と不確実性への一部保有資産の振り替え」が長期的な金上昇の根底にあると思われる。上昇トレンド継続と推定される。


今週の主な経済指標:

26日: 独 8月 Ifo 景況感指数(17:00) 
          米 7月シカゴ連銀全米活動指数(21:30) 
          米 7月耐久財受注(21:30) 
27日: 7月企業向けサービス価格指数(8:50) 
          厚生労働省は公的年金の将来の給付水準を示す「財政検証」を公表予定 
          米 6月 FHFA 住宅価格指数(22:00) 
          米 6月 S&P コアロジック CS 住宅価格指数(22:00) 
          米 8月 CB 消費者信頼感指数(23:00) 
28日: アフリカ開発会議(TICAD)(~30日横浜) 
29日: 米 4-6月期 GDP 改定値(21:30) 
          米 7月中古住宅販売仮契約(23:00) 
30日: 7月失業率・有効求人倍率(8:30) 
          7月商業動態統計(8:50) 
          7月鉱工業生産(8:50) 
          インド 4-6月期 GDP(21:00) 
          米 7月個人所得・個人支出(21:30) 


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