週末の米中貿易協議でサプライズの可能性も-香港問題と米中貿易戦争

  • 更新日:19/10/07
今週の日経平均株価、ドル・円想定レンジ:

・日経平均株価 21100円 – 21850円
・ドル・円 105円80銭 – 107円60銭

先週の株式市場は、米国株式市場が、全米の製造業活動を示す9月ISM製造業景況指数が10年ぶり、非製造業景況指数が3年ぶりの低水準に落ち込んだ。米国経済も今後12カ月の間に景気後退入りするとの懸念が一時強まり大幅に調整。その後、週末の米9月雇用統計では、失業率が50年ぶりの低水準となるなど、米国の労働市場が引き続き健全に拡大している結果となったため、米国経済が景気後退入りするとの懸念がいったん後退。10月FOMCでの追加利下げ観測も後退した。米株式市場も景気に対する悲観論の後退から週末に上昇した。


相場の関心(変動要因)は、米国経済動向から米中貿易問題に移行の週。


今週のポイント:

米中貿易協議-10月10日~11日開催

10日に中国の劉鶴副首相がワシントンを訪れ、米国側のライトハイザー通商代表部代表、ムニューシン財務長官と2日間の予定で閣僚級貿易協議を開く。トランプ米政権は10月15日に2500億ドル(約27兆円)分の中国製品への制裁関税を現在の25%から30%に引き上げる構えをみせているほか、12月15日に制裁関税「第4弾」の残りを発動する予定となっている10日に中国の劉鶴副首相がワシントンを訪れ、米国側のライトハイザー通商代表部代表、ムニューシン財務長官と2日間の予定で閣僚級貿易協議を開く。トランプ米政権は10月15日に2500億ドル(約27兆円)分の中国製品への制裁関税を現在の25%から30%に引き上げる構えをみせているほか、12月15日に制裁関税「第4弾」の残りを発動する予定となっている。


中国は9月、複数の国有・民間企業に対して米国産大豆を報復関税なしで輸入することを認める新たな措置を導入。3日発表の米農務省データによると、先週の大豆輸出は中国向けが大きく伸びている。


トランプ米大統領は10月4日に中国との貿易協議に関し「とても重要な段階にある」と記者団に述べ、議論の進展に期待感を示した。トランプ氏は対中貿易摩擦が長期化し「難しい交渉だ」と認めつつも、中国は制裁関税で打撃を受けて「非常に取引をしたがっている」と改めて指摘。10、11日に開催予定の閣僚級協議を念頭に「合意に向けた大きな機会だ」と強調し、中国に歩み寄りを迫った。


米国家経済会議のクドロー委員長は4日、貿易交渉に臨む米中双方の雰囲気は「和らいだ」と分析し、閣僚級協議で「前向きな驚きがあるかもしれない」と米ブルームバーグテレビで述べている。


トランプ大統領が、対中国姿勢を変化させるかは、自身の弾劾問題での世論動向の悪化が不確定要因として影響しはじめていることが考えられる。来年の大統領選挙での再選を展望すると世論の悪化を最小限に留め、景気の減速に歯止めをかける強い必要性がトランプ大統領にはある。


中国は、中国で香港問題と国内景気の後退で国内政治闘争が激化している模様で習主席の政治的立場の弱体化を避けたい必要性も出てきている。


米中双方の政治的・経済的な利害で貿易戦争一時停戦、暫定合意のタイミングが一致しているのが今回の貿易協議。米国は、中国が譲歩できない項目を一時的に棚上げし、停戦する可能性は、低くないと思われる。


今週の国内株式市場

大きく方向性が、出てくるのは米国11日の米中貿易協議の結果次第であろう。それまでは、思惑で上下するものの横ばいの展開を想定。市場のセンチメントは、米中貿易交渉が平行線で一段の景気減速を前提とした見方が大勢を占めていると推定されることから上値の重い展開が大半であろう。サプライズは、日本時間では12日になるであろう。


為替

週末の米雇用統計で10月のFOMCでの金融緩和観測が後退した今週の展開は、米国の10年国債金利ももみ合いのレンジ内での推移を想定できることから、ドル・円独自の材料での値動きよりユーロ・ポンド・ドルとのクロス円での要因での変化の週となるであろう。米金融緩和観測が、一時的に後退しているもののやや円高傾向推移の展開か。


今週の金価格

米国9月の雇用統計で景気の減速度合いが軽微との確認がとれたことから10月のFOMCでの金融緩和観測が後退した環境では、上値も下値も限定されるであろう。次の展開への踊り場形成でレンジ相場継続の可能性が高いと見られる。上下どちらに動くにも日柄が必要。


香港問題と米中貿易戦争

香港の市民デモや集会は収束する気配を見せていない。駅、街頭まで多発デモが常態化し、航空便の欠航や鉄道・バスの運休が相次ぐなかで、国際金融センターである香港は混乱に陥り、今なお混迷を深めている。香港問題とは何であろうか?


今回のデモが発生する引き金となった出来事は香港政府が進めていた逃亡犯条例改正案だった。逃亡犯条例とは罪を犯した容疑者の身柄引き渡しについて定めたもので、香港は中国や台湾、マカオとはそうした取り決めを結んでいなかった。中国で罪を犯しても香港に逃亡すれば摘発を免れることができる。これでは香港は犯罪の“解放区”と化してしまう恐れがあった。


香港国際空港内で行われた座り込み抗議は、「光復香港、時代革命」のスローガンが打ち出されていた。むしろ、単なる一法案への抗議を超えている。


香港初代行政長官・董建華氏は、今回の抗議活動について「展開が迅速で規模も大きく、緻密な組織があって隠ぺい度が高い」とコメントし、具体的な証拠への言及を避けながらも、背後に「黒い手」たる存在、「台湾と米国」などの外部勢力の介入を示唆した。


中国・中央テレビ(CCTV)は、米中央情報局(CIA)は旧ソ連諸国で起きた抗議活動「カラー革命」を扇動したことで知られると伝え、米国の介入を批判している。


CNNは、トランプ米大統領が中国の習主席と電話会談をした際、米中間の貿易交渉が進展すれば、香港問題については黙り続けると伝えていたと報じました。ワシントンの外交関係者の間では、トランプ氏が香港問題を中国との貿易交渉の取引材にしているとの根強い見方があったが、それが裏付けられた格好になった。


週末の米中貿易協議の交渉結果が、どのような内容になるか注目です。


今週の主な経済指標:

  7日: 8月景気動向指数(14:00) 
          米 8月消費者信用残高(8日 4:00) 
  8日: 8月家計調査(8:30) 
          8月毎月勤労統計調査(8:30) 
          8月国際収支(8:50) 
          9月景気ウォッチャー調査 
          米 9月生産者物価(21:30) 
  9日: 9月 17・18日開催の FOMC 議事録 
10日: 9月国内企業物価指数(8:50) 
          8月機械受注(8:50) 
          9月都心オフィス空室率(11:00) 
          米中閣僚級貿易協議か(~11日) 
          米 9月消費者物価(21:30) 
11日: 米 9月輸出入物価(21:30) 
          米 10月ミシガン大学消費者マインド指数(23:00) 

  休場:香港(7日) 


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