米中貿易戦争一時停戦へ-不透明感漂う協議結果

  • 更新日:19/10/15
今週の日経平均株価、ドル・円想定レンジ:

・日経平均株価 21550円 – 22450円
・ドル・円 107円20銭 – 109円60銭

先週の株式市場は、米中貿易協議の事前ニュースに株・為替などが上下動を繰り返す展開となった。週末に合意観測が台頭してドル買い優勢となり株式も好感して戻り歩調を強めた。


今週のポイント:

米中貿易協議-部分的合意一時停戦へ

トランプ米大統領が自賛する米中通商合意の「第1段階」について、中国側は詳細を詰めるためのさらなる協議を早ければ今月末にも持ちたい意向。事情に詳しい複数関係者が明らかにした。習近平国家主席が署名に合意するのは、その後。


中国政府は劉鶴副首相を筆頭とした代表団を派遣する可能性がある。来月チリで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議(11月16-17日、サンティアゴ開催)に合わせて米中首脳が合意に署名できるよう、合意文書をまとめる狙いがある。


米国は週内に発動予定だった関税引き上げを見送ったが、12月に予定する関税引き上げについては保留している。中国はこの関税引き上げも撤回を望んでいると、関係者1人が述べた。非公開の交渉内容だとして関係者らは匿名を条件に語った。


米中が先週ワシントンで口頭でのみ合意した内容は、依然詳細が不明だ。トランプ大統領は中国の農産物購入拡大を「わが国の歴史上、偉大な農家に対する最大かつ最も素晴らしい合意」だと称賛した。一方、中国国営メディアは両国が「最終的な合意達成に向けて双方ともに努力することで一致した」とのみ伝えた。


ムニューシン米財務長官は14日にCNBCとのインタビューで、米中が第1段階の合意に署名できるよう両国当局者は今後数週間かけて作業すると述べた。これが実現しなければ、12月15日に予定している対中追加関税の発動に踏み切ると述べている。


米中双方とも、今回の協議でそれぞれの立場から合意に至る結果を希求している結果となっているように見える。これから双方の面子が立つ内容結果を模索する交渉が継続される。


今月末のFOMCでの緩和期待

10月29-30日開催のFOMCでの緩和期待が今後の市場での変動要因として大きなウエイトを占めるであろう。米国景気は、減速傾向の景気指標が複数確認されている。今週は、16日米小売売上高、地区連銀報告、17日米鉱工業生産、18日景気先行指標総合指数が注目される。景気減速を加速させている数値が連続で出てこない限り今月末の緩和の可能性を高める材料にはならないと見ている。


今週の国内株式市場

米中貿易協議の部分的合意を好感して先週末に日米株式は、上昇した。今週は、いまだに不透明感漂う合意内容を市場がどのように評価するか。更に今月末のFOMCでの緩和の可能性を見極める週となるであろう。比較的下値の堅い展開となるであろうが上値も上述した不透明要因から重い展開を想定。為替のドル・円次第で日本株の上値余地は、拡大するであろう。


為替

今回の米中貿易協議で部分的合意(停戦)になったことでドル買い優勢となっている。テクニカル面は、過去1ヶ月移していたレンジの上限108.50円近辺を一時越え108.62円を付けた。次のドル・円のターゲットは、移動平均200日線の109円前後、上抜けば8月高値の109.32円が目標になるであろう。可能性として108円前後でもみあいかドル買い優勢を想定。


今週の金価格

米中貿易協議の部分合意観測と今月末のFOMCでの金融緩和確率の低下で金価格の目先の外部環境は、やや悪化している。継続的な支援要因は、中東での軍事衝突のリスクが高まっていることや香港デモの激化による米中貿易協議への悪影響観測が台頭することなどがあげられる。東京金は、5100円台での滞空時間が長くなってきているが、もう少し日柄が必要な展開。


今週の主な経済指標:

15日: 8月第三次産業活動指数(13:30) 
          日銀支店長会議/地域経済報告(さくらレポート) 
          中国 9月消費者物価 
          中国 9月生産者物価(10:30) 
          独 10月 ZEW 景況感指数(18:00) 
          米 10月 NY 連銀製造業景気指数(21:30) 
          米国による対中関税の第 1~3 弾を 25%→30%に引き上げ 
16日: 9月訪日外客数 
          米 9月小売売上高(21:30) 
          米 10月 NAHB 住宅市場指数(23:00) 
          米 8月企業在庫(23:00) 
          ベージュブック 
          米 8月対米証券投資(17日 5:00) 
17日: 9月首都圏新規マンション発売(11:30) 
          EU 首脳会議(~18日) 
          米 9月住宅着工件数(21:30) 
          米 9月建設許可件数(21:30) 
          米 10月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数(21:30) 
          米 9月鉱工業生産・設備稼働率(22:15) 
18日: 9月消費者物価(8:30) 
          中国 9月都市部固定資産投資 
          中国 9月工業生産 
          中国 9月小売売上高 
          中国 7-9月期 GDP(11:00) 
          米 9月 CB 景気先行総合指数(23:00) 
          米政府、対 EU 報復関税を発動 


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