米中貿易協議報道、香港情勢に引き続き警戒

  • 更新日:19/11/25
今週の日経平均株価、ドル・円想定レンジ:

・日経平均株価      22900円 – 23700円
・ドル・円      107円50銭 – 109円60銭
・東京金価格            4850円 – 5150円

今週の市場は、米中貿易協議で年内第一段階の合意の可能性と米中双方の発言、香港情勢の動向に引き続き影響される展開となるであろう。週末から始まる米年末商戦の動向に絡んだ報道も株式市場に影響を及ぼすと考えられる。


今週のポイント:

米中貿易協議-第1段階合意への不透明感

米紙ウォールストリート・ジャーナルの報道によると、中国の劉鶴副首相(通商担当)は、ライトハウザー米通商代表やムニューシン米財務長官らに対して月内に北京での協議に応じるよう呼び掛けた。


中国の習近平国家主席は、22日対米貿易協議「第1段階の合意」について、「相互尊重と平等を原則に合意(の署名)に努めたい」と述べ、合意文書への署名に前向きな姿勢であることを強調した。ロイター通信が伝えた。


習氏は国際フォーラムに出席した関係者らと北京の人民大会堂で面会した際、「わが国が貿易戦争を仕掛けたわけではない」「必要なら反撃する」と追加報復を示唆しながらも、「貿易戦争を避けるべく積極的に取り組んでいる」と説明した。


米中は先月、「第1段階」で口頭合意したものの、両国首脳による成果文書の署名に向けた詰めの交渉は難航している。署名は来年に持ち越されるとの見方が強まっている。


米国政府は、米連邦議会を先に通過していた「香港人権・民主主義法案」のトランプ大統領の署名とからめて中国政府を多方面で追い込んでいる。年内一部合意の可能性は、高いと考えられる。


香港情勢-米中貿易協議の交渉材料

24日に香港で区議会議員選挙(地方選挙)が行われました。投票率は、71.2%と中国返還後最高の投票率になった。25日朝の段階(全体452議席、開票途中)では、民主派は全体の三分の二の300議席を越え、民主圧勝の結果となっている。


26日には中国のネット通販最大手アリババが予定している香港市場での上場は、公募価格が1株176香港ドル(約2600円)、調達規模は最大129億ドル(約1兆4000億円)に上る見通し。アリババは先週、公開価格の上限を1株188香港ドルに設定していた。調達資金は米配車サービス最大手ウーバーが5月にニューヨークで上場した際の81億ドルをはるかに上回り、世界で今年最大規模となることが予想される。今回の上場の意義は、香港市場の健全性をアピールすることが目的であろう。違う角度で見てみると中国政府の影響力が香港市場で相当強まっていることの証左でもある。


トランプ米大統領は22日、米連邦議会を先に通過していた「香港人権・民主主義法案」の署名を明言せず、「香港の住民を支持しなければいけないが、私は習近平国家主席も支持する」とも述べた。トランプ大統領は会見の中で、「現在の米中貿易交渉と中国への強硬姿勢を迫る米議員との間のバランスに留意する必要がある」と指摘。その上で貿易交渉のディール(取引)成立は近いとも主張。「成立が間近の可能性がある」としながらも、「彼(習主席)は私以上に成立を望んでいる。ただ、私は成立を急いでいない」とも述べた。


米上院は先週前半に同法案を可決。下院でも同様の法案が可決されており、トランプ米大統領が署名すれば法律は成立する。発効した場合、米政府は毎年、香港の高度な一国二制度が機能しているかどうかの検証が義務付けられる。機能せずと判断した場合、米国が香港に付与する関税の優遇措置などを見直す可能性がある。


この法律をトランプ大統領が署名し香港に適用した場合は、米国が経済的に香港を人質にとることが可能になり中国としては、何としても避けたい法律であろう。今回の貿易協議での強い切り札となる。


今週の東京金価格

東京金は、先週5100円台前半で足踏みとなった。米中貿易協議に関する連日の報道と米国長期金利、ドル・円動向を見ながらの展開だった。上述の3要因に大きな変化がなければ5000円台から5100円台でのもみあい推移での可能性が必然的に高くなると考えられる。ただし、米中貿易協議一部合意への可能性が高まれば一時的に5000円割れで下押しすることも念頭に置く必要があると見ている。


今週の国内株式市場

今週の株式市場は、米中貿易合意関連の発言に再び左右される展開が継続するであろう。来年の相場に影響を与える材料で自民幹部が真水で10兆円、事業規模で20兆円の大規模な補正予算を提案している。財源は赤字国債を増発すると述べており、国が借金して来年のGDPを大幅に拡大させるという提案をした模様。実現性は、現段階では、未知数ですが注意が必要です。材料としては、小さくないからです。日経平均先物12月限も12月12日がSQ。積極的に売り残を膨らませる投資家は、これから時期的に減少してくることから下押ししても引けにかけて戻る展開が繰り返されると思われます。また、マザーズ市場が堅調なことから個別物色が継続されることが推定され下値は限定的と見られる。先物限月の最終局面は、下押ししなければ買戻しを誘発しやすい時期です。


為替ドル・円

米中貿易交渉・株式動向次第では、ありますが、108円台での狭いレンジが長期間継続している中、11月14日安値108.24円割れをすれば円高へ。11月1日安値107.88円割れからは106.50円試しを想定。逆にドルが買われ展開では、109円台回復後11月7日の109.48円を上抜く場合110円半ばへの上昇を想定。どちらの可能性もある現在位置。


今週の主な経済指標:

25日: 独11月Ifo 景況感指数(18:00) 
          米10月シカゴ連銀全米活動指数(22:30) 
26日: 10月企業向けサービス価格指数(8:50) 
          米 9月 FHFA 住宅価格指数(23:00) 
          米 9月 S&P コアロジック CS 住宅価格指数(23:00) 
          米 10月新築住宅販売件数(27日 0:00) 
          米 11月 CB 消費者信頼感指数(27日 0:00) 
27日: 米 7-9月期 GDP 改定値(22:30) 
          米 10月耐久財受注(22:30) 
          米 10月個人所得・個人支出(28日 0:00) 
          米 10月中古住宅販売仮契約(28日 0:00) 
28日: 10月商業動態統計(8:50) 
          米感謝祭 
29日: 10月失業率・有効求人倍率(8:30) 
          10月鉱工業生産(8:50) 
          米ブラックフライデー 


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