中東情勢緊迫化でリスク回避の投資行動へ-全面的な軍事衝突リスク高まるか。

  • 更新日:20/01/06
今週の日経平均株価、ドル・円想定レンジ:

・日経平均株価      22500円 – 23550円
・ドル・円      106円40銭 – 108円50銭
・東京金価格            5350円 – 5550円

日本の正月休み期間中に米国株式相場は上昇、中国の金融緩和を好感して1月2日ダウ平均は28872.80の史上最高値更新した。ところが2日夜に米国政府は、イランの革命防衛隊コッズ部隊司令官を攻撃により殺害したことから中東情勢の緊迫化への懸念から週末3日には、売りが先行し、ダウ平均は233.92ドル安の28634.88、ナスダックは71.42ポイント安の9020.77で取引を終了した。この日は世界的にリスク回避の流れが強まり、金は、円やスイス・フラン、米国債などの安全資産とともに選好された。更に中東産油地域での供給懸念が強まり、原油も買い進まれ、昨年5月以来ほぼ7か月ぶりの高値となった。


今週のポイント:

年始から中東情勢緊迫化-米国対イランの軍事衝突リスク高まる

イランは革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のソレイマニ司令官殺害を受け、3日、米国への報復を警告した。5日、声明を発表し、2015年に欧米など6カ国と結んだ核合意の逸脱第5弾の措置として、無制限にウラン濃縮を進める方針を表明した。


核開発拡大に加え、革命防衛隊は代理勢力を使った駐留米軍への軍事的圧迫や米軍高官らの暗殺、近隣諸国の石油施設攻撃など軍事力行使の選択肢の精査に入った模様。トランプ米大統領の指示による司令官殺害に対し、イランも最高指導者ハメネイ師が報復の決意を表明した。外交的解決の道は狭まり、軍事的緊張が高まっている。


イランのタスニム通信によると、イラン革命防衛隊幹部のアブハムゼ氏は3日遅く、ソレイマニ司令官殺害の報復として、35の米関連施設を標的にする可能性があると表明。ホルムズ海峡を航行する船舶を攻撃する可能性があると述べた。


これに対してトランプ大統領は「(イランが報復として)一部の米国の資産を標的とすることについて非常に大胆に語っている」とし「(米国は)イラン関連の52カ所を標的」にしていると表明。「(標的の一部は)イランやイランの文化にとって非常にハイレベルで重要なものであり、こうした標的やイランそのものが、非常に迅速かつ激しく攻撃される」としている。


イラン政府の報復(シーア派軍事組織)の報復が、どの程度の軍事行動となるのか。米軍との交戦規模がどうかにより市場の反応も変化する。イランサイドが、自重的、限定的な報復にとどまり米国の行動も制約されたものになれば緊迫化した状況から市場が落ち着く可能性もある。しかし、報復合戦が拡大し全面的な軍事衝突への懸念が増大した場合は、リスク回避の投資行動が本格化することが想定できる。


今週の東京金価格-中東情勢緊迫化を受け初期の反応は5500円を目指す展開

東京金は、NY商品市場が1550ドル台の高値圏で推移していることを反映して再度上場来高値更新となるであろう。米国とイランの報復合戦が、どこまでエスカレートするかが最大の注目点。初期初動は、5500円前後を想定。軍事的な衝突が、拡大し、トランプ大統領が、52か所の標的への攻撃に移行するようだとより広範な軍事衝突の可能性も高まるため金の上値余地は、更に拡大する。懸念を織り込む方向での反応確率が、高いと思われる。


今週の国内株式市場

中東情勢と為替の円高を嫌気して年初は、下落から始まる。中東産原油の依存率の高い日本は、今回の中東情勢の影響は、甚大と思われる。今後の中東情勢の推移を見守る投資姿勢が強まることが想定されることやリスク回避の動きがでることから下値模索の可能性が高い展開へ。


為替ドル・円-参考は湾岸戦争時と第一次、第二次中東戦争時の反応

湾岸戦争時は、18.5%の円高となった。今回の対立が、全面戦争化へ悪化するのかどうか。シリア、トルコ、ロシア、イスラエル、パレスチナ等も関係するため予断を許さない状況。週末時点の安値107.84円を割り込む場合は、10月3日の106.50円、更に8月26日安値104.45円を試しにかかる可能性があると思われる。


今週の主な経済指標:

  6日: 大発会 
          12月自動車販売台数(14:00) 
  7日: 12月マネタリーベース(8:50) 
          英国議会再開 
          EU離脱案の下院審議(9日採決) 
          米11月貿易収支(22:30) 
          米12月ISM非製造業景況指数(8日 0:00) 
  8日: 11月毎月勤労統計調査(8:30) 
          12月消費動向調査(14:00) 
          米12月ADP雇用統計(22:15) 
          米11月消費者信用残高(9日 5:00) 
  9日: 日銀の生活意識に関するアンケート調査 
10日: 11月家計調査(8:30) 
          11月景気動向指数(14:00) 
          米12月雇用統計(22:30) 


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